海外コメンタリー

アナリティクス分野の2018年とAI、IoT、マルチクラウド

Andrew Brust (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-01-09 06:30

 テクノロジ企業による、データとアナリティクス分野の翌年の展望に関する予想が、顧客企業の役員にPRとして毎年年末に送られてくる。その論点には矛盾があると感じられる場合や、マーケティング的なメッセージであるように思えるものもあり、これらの予想をすべて読んでその内容を整理するのは、手間はかかるが興味深い作業だ。各社の予想を分類して、共通点を見いだすことは非常に有益であり、全体像をつかめば、今後顧客が必要とするものだけでなく、各ベンダーが何を売り込もうとしているかについての市場トレンドを特定するのにも役立つ。

2018年の大テーマ

 2018年に向けての予想の多くは、モノのインターネット(IoT)、機械学習、人工知能(AI)の重要性の高まりや、「マルチクラウド化」の必要性について語っており、データ保護規制とデータのガバナンスという双子の問題についても触れている。

 各社の予想をまとめたこの記事が、かなりの長文であることは認めざるを得ない。しかし、多種多様な予想を収集分析した情報には大きな価値がある。

 今年の目玉は何と言ってもAIと機械学習なので、まずはそこから議論を始めよう。

Oracleの予想

 AIに関する話題をOracleからスタートするのは不思議に思えるかもしれないが、OracleにAIに真剣に取り組んでいる人たちがいることは確かだ。また、Oracleから話を始めることで、AIがエンタープライズコンピューティングの重要な要素になりつつあることも再確認できる。Oracleの予想は2020年にまで及んでいる。

 同社の製品管理および戦略担当バイスプレジデントSiddhartha Agarwal氏は、将来「AIがアプリケーションインターフェース」になり、「AIがユーザーが必要としているものを予想し、適切なタイミング(必要になる前を含む)と場所で、適切なメディアを通じて情報と機能を提供して、現在手動で行っている作業の多くを自動化する」と説明している。

 また製品開発、「Oracle Cloud Platform」およびミドルウェア製品開発担当シニアバイスプレジデントのAmit Zavery氏は、「身の回りの世界に対する人間の認識と反応を模倣し、それを超えるという人工知能の中心となる考え方は、イノベーションの土台になる」と考えている。

 Oracleの製品管理およびモバイル戦略担当バイスプレジデントSuhas Uliyar氏は、Agrawal氏やZavery氏の予想をさらに推し進め、「カスタマーサポートのやりとりの大半はチャットボットで行われるようになる」と主張している。Uliyar氏はまた、チャットボットは「企業の管理業務を削減する上で必要不可欠だと証明される」とも考えている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]