テクノロジ企業による、データとアナリティクス分野の翌年の展望に関する予想が、顧客企業の役員にPRとして毎年年末に送られてくる。その論点には矛盾があると感じられる場合や、マーケティング的なメッセージであるように思えるものもあり、これらの予想をすべて読んでその内容を整理するのは、手間はかかるが興味深い作業だ。各社の予想を分類して、共通点を見いだすことは非常に有益であり、全体像をつかめば、今後顧客が必要とするものだけでなく、各ベンダーが何を売り込もうとしているかについての市場トレンドを特定するのにも役立つ。
2018年の大テーマ
2018年に向けての予想の多くは、モノのインターネット(IoT)、機械学習、人工知能(AI)の重要性の高まりや、「マルチクラウド化」の必要性について語っており、データ保護規制とデータのガバナンスという双子の問題についても触れている。
各社の予想をまとめたこの記事が、かなりの長文であることは認めざるを得ない。しかし、多種多様な予想を収集分析した情報には大きな価値がある。
今年の目玉は何と言ってもAIと機械学習なので、まずはそこから議論を始めよう。
Oracleの予想
AIに関する話題をOracleからスタートするのは不思議に思えるかもしれないが、OracleにAIに真剣に取り組んでいる人たちがいることは確かだ。また、Oracleから話を始めることで、AIがエンタープライズコンピューティングの重要な要素になりつつあることも再確認できる。Oracleの予想は2020年にまで及んでいる。
同社の製品管理および戦略担当バイスプレジデントSiddhartha Agarwal氏は、将来「AIがアプリケーションインターフェース」になり、「AIがユーザーが必要としているものを予想し、適切なタイミング(必要になる前を含む)と場所で、適切なメディアを通じて情報と機能を提供して、現在手動で行っている作業の多くを自動化する」と説明している。
また製品開発、「Oracle Cloud Platform」およびミドルウェア製品開発担当シニアバイスプレジデントのAmit Zavery氏は、「身の回りの世界に対する人間の認識と反応を模倣し、それを超えるという人工知能の中心となる考え方は、イノベーションの土台になる」と考えている。
Oracleの製品管理およびモバイル戦略担当バイスプレジデントSuhas Uliyar氏は、Agrawal氏やZavery氏の予想をさらに推し進め、「カスタマーサポートのやりとりの大半はチャットボットで行われるようになる」と主張している。Uliyar氏はまた、チャットボットは「企業の管理業務を削減する上で必要不可欠だと証明される」とも考えている。