特に基幹システムにおいて、データを格納している主なデータベースと言えばOracle Database、あるいはMicrosoft SQL Serverだ。
Amazon Web Servicesがクラウドデータベース「Aurora」の売り上げが好調と言っても、また、さまざまな種類のNoSQLが次々と登場していると言っても、実際のところ、大規模企業にとって最も重要なデータの多くは、まだOracle Databaseに格納されている。それをクラウドに移そうと考えている企業の比率は、イメージよりも少ないのが実情と言える。
AWSやSalesforce自身も、自社のデータセンターではOracleに依存している。時々耳にする「オラクル衰退論」も、実態からすれば的外れな見解かもしれない。
データを握っていることのベンダーとしての強み、一方のユーザー側にもそれを別のデータベースに移行するという意思があまりない事実は、実のところかなり強固である。
とは言っても、データベースを握る者イコール勝者という図式が永遠に続くのかと言えば、その保証があるわけではない。
インメモリデータベースなど外部的な技術環境の進化、UNIX機などハードウェアの性能劣化や老朽化、クラウド環境への全面移行の動きなどにより、たとえ安定稼働しているデータベースシステムでも、いつかは「作り替え」という運命をたどるかもしれない。
その時もまだ、Oracle Databaseが圧倒的な存在であるという確証はない。AWSやオープンソース系などその地位を狙うさまざまな製品も飛び出してきている。絶対的とも言えるOracle Databaseという牙城が、崩れ始めても時期的には不思議はない。
ここでは、Oracle Databaseを中心としてきたデータベースの領域に、いよいよクラウドやNoSQLなどの製品が浸食し始める可能性を示す記事を集めた。
結局データを握るオラクルが強いのか--データベース戦争勃発の可能性