Linus Torvalds氏は、CPUの脆弱性問題に対応するIntelのフィックスに満足していないようだ。Torvalds氏は、Linuxカーネルメーリングリストへの投稿の中で、「Meltdown」と「Spectre」のパッチに対するIntelのアプローチに関して批判した。同氏はそうしたパッチについて、「それらは文字通りばかげたことを実行する。意味をなさないことを実行する」などと述べている。
提供:Aalto University/YouTube
Torvalds氏は、「これらのゴミのようなパッチが無思慮に流通することを私は決して望まない」と言い添えた。
Torvalds氏がSpectreとMeltdownに対するIntelのアプローチを批判するのは、今回が初めてではない。同氏は1月に入り、「全てが設計通りに動いているという宣伝文を書くのではなく、Intel内部の誰かが自社のCPUを徹底的に調べて、そこに問題があることを実際に認める必要がある」と述べていた。
Intelにコメントを求めたが、本稿掲載時までに回答を得ることはできなかった。
さらに、週末に「Linux 4.15」の最終バージョンがリリースされる予定だったが、まだ作業が残っているので、それを延期して、代わりにリリース候補版(RC)9を提供することに決めたとTorvalds氏は述べた。これまでにも「MeltdownとSpectreの騒動」が原因で、別のRCがリリースされることになるかもしれないと同氏は警告していた。
最終バージョンはこのRCの後に登場するはずだと同氏は考えているようだ。
「この後、再び延期されることはないと私は考えている。rc9は過去にも例があるが、非常に珍しいことだ(最後のrc9は2011年の3.1-rc9だ。このリリースはrc10まで行ったが、CPUバグの緩和をめぐる今回の騒動を考慮に入れても、今回、rc10まで行くことはないと思う)」(Torvalds氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。