マサチューセッツ工科大学(MIT)は米国時間2月1日、「MIT Intelligence Quest」(MIT IQ)という人工知能(AI)イニシアティブのローンチを発表した。その狙いは、複数の分野をまたがった知見を組み合わせることで人の知性をリバースエンジニアリングし、機械学習(ML)とAIの新たなアルゴリズムを生み出すとともに、コラボレーションを醸成していくというところにある。
提供:MIT
MIT IQにおける組織構成上の最も大きな特徴はおそらく、AI分野のブレークスルーにはチームメンバーの一致団結が必要不可欠だという考え方を具現化しているところにある。MIT IQは、MIT内における複数の研究部門の間にそびえる壁を取り払い、同じ旗の下で人の知性と機械の知性を研究しようという取り組みなのだ。
MIT IQによるプレスカンファレンスでは、そのアプローチが強調されていた。この取り組みには、MITのプレジデントであるL. Rafael Reif氏をはじめとする以下の人々が中核リーダーとして名を連ねている。
- 工学部の学部長であるAnantha Chandrakasan氏
- 脳および認知科学科の学科長であるJames DiCarlo氏
- 電気工学とコンピュータ科学の教授であるDina Katabi氏
- コンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の所長であるDaniela Rus氏
- 認知科学と計算理論の教授であるJosh Tenenbaum氏
MIT IQの取り組みの背後には、AIの土台が時代遅れのものになっているという現実がある。AIが依拠する数学と中核理論は1950〜1960年代からあまり変わっておらず、コンピューティング能力とテクノロジは、そういった時代から大きな変化を遂げている。Reif氏は「AIの土台は比較的古いものとなっている。われわれは既存のアルゴリズムから新たなアプリケーションを生み出そうと努力してきた」と述べた。