筆者は先日、サンディエゴのQualcommを初めて訪問し、1日を過ごした。今後の5Gに関する計画について幹部に話を聞いた後、いくつかのコーナーを回り、新しい「Qualcomm Wireless edge services」や5G NR(New Radio)の計画、エンタープライズIoTでのワイヤレス技術利用のデモンストレーションなどを見ることができた。
新しい「Snapdragon X50 5G NR」モデムと、Qualcommと提携して2019年にも顧客向けにこのSnapdragon X50を導入する事業者やOEMについてはすでに報じられているが、Qualcommの「5G Day」イベントで発表された他の内容についても明らかにされている。
Qualcomm Wireless edge services
5Gがコネクティビティの中心となり、自動運転車やドローン、産業機器など、ネットワークやクラウドサービスの「エッジ」で稼働するデバイスが存在する。5Gは、携帯電話の機能を多くのユーザーへと拡張する一方で、無数のモノに機能を拡張するのにも役立つ。
新しいQualcomm Wireless edge servicesは、Qualcommの一部のチップセットで利用できるようになる。まずは、産業用IoT向けのLTEモデム「MDM9206」と自動車部品向け「MDM9628」、家庭用IoT製品向け「QCA4020」で提供され、その後「Snapdragon」プラットフォームへと拡大される。これらのサービスは、大規模かつ効率的な導入が可能な安全で信頼できる方法で、法人ユーザーがデバイスを接続するのに役立つよう設計されている。
新しいLTE対応IoT用ソフトウェア開発キット(SDK)
多くの人は5Gについて、まずスマートフォンの性能が向上する可能性を広げると考えるかもしれないが、この新しいワイヤレス技術を介して接続されるあらゆるデバイスで大きな変化が起きると考えられる。Qualcommは、OEMや開発者、IoT企業などの新たなIoT製品開発を支援する、MDM9206 LTE IoTモデム向けの新しい「LTE IoT SDK」を発表した。
この新SDKは、2018年上半期に提供される見通しだ。バルセロナで現地時間2月26日から開催される「Mobile World Congress」(MWC)でデモが行われる。
5G NRのデモ
Qualcommは、MWCで公開されるいくつかのデモをサンディエゴでも披露した。5G NRのデモには、Qualcommの周波数共有技術も含まれていた。
工場には機器を稼働させ、管理するための大量のイーサネットケーブルがある。Qualcommは、5G NRで産業用ワイヤレスイーサネットのデモを行った。有線の場合と変わらないパフォーマンスを目にするのは、想像以上に驚くほどだった。ケーブルが不要になれば、機器はさらなるタスクをより効率良く実行できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。