レンタルPCの再販で法人と個人の好循環を作る--横河レンタが新規事業

渡邉利和

2018-02-19 06:00

 横河レンタ・リースは2月15日、コンシューマー向けのリフレッシュPC専門ECサイト「Qualit(クオリット)」をオープンした。企業向けにレンタルしたPCを新たな形で活用する取り組みとなる。


リフレッシュPC専門ECサイト「Qualit」

 新サイトは、同社が企業向けにレンタルした後、返却されたPCで「データ消去・動作確認・品質のチェック・クリーニング」を行い、これを「リフレッシュPC」としてコンシューマー向けに直接販売する。同社は、これまで18年にわたって楽天市場でコンシューマー向けに販売を行ってきたといい、その経験を踏まえて独自サイトを開設した。


横河レンタ・リース 執行役員 事業統括本部 IT事業部長の水野英樹氏

 執行役員 事業統括本部 IT事業部長の水野英樹氏は、「なぜ今、こうした取り組みを行うのか」を説明した。企業システムのクラウドへのシフトなどの影響もあってか、ユーザー企業の間で「所有から利用へ」という変化が生じていること、Windows 10へのリプレース需要などもから、同社のレンタル事業は堅調に成長しているという。

 その上で、レンタルが増えれば返却されるPCも同様に増えることになると話す。つまり販売先を増やすことができれば、同社にとってはそれに必要なPCをより多くまとめて調達することが可能になり、購買力が高まることでより低コストでの調達が可能になる。こうすることでユーザーには、今までよりも安価にPCを提供できるようになるという好循環が起こるとした。

 また、一般的な中古PC販売事業者との差別化ポイントとして、同社自身でPCを購入し、レンタルしていることから、個々のPCの履歴を徹底して管理している体制と、販売品に関しても同社のテクニカルセンターで法人向けレンタルPCと同じ基準で品質チェックを行って提供するなど、ユーザーが安心して利用できる点を強調している。


横河レンタ・リース 事業統括本部 IT事業部 リセール推進部長の亀田隆彦氏

 事業詳細について説明した事業統括本部 IT事業部 リセール推進部 部長の亀田隆彦氏は、展望として今後1~2年で売上規模を10倍程度に拡大できるのではないかとの見通しを示す。オンラインショップモールに出店する形では出店料が掛かり、他のECサイトから自社サイトに誘導するような形が採りにくく、ウェブサイトのデザインの制約でサイト訪問者に使いにくいといったさまざまな課題があったという。

 なお、今後追加予定のサービスとして「24ヶ月保証サービス」「通信回線セット割引」「使い方サポート」「データ復旧」などを順次追加していく計画。1つのIDにつき1回限定で10%割引するキャンペーン(有効期限は4月30日)も実施する。


企業向けレンタルビジネスでの実績と、顧客にコンシューマーを加えた販売数量の拡大によるコストメリットを組み合わせる

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