日本オラクルがクラウド事業で新規顧客を拡大しているという。既存顧客がクラウドへ移行するのは想像がつくが、なぜ新規顧客が増加しているのか。
中堅中小企業へ新たに広がるオラクルのクラウド
「オラクルの顧客層はこれまで大手企業が中心だったが、これからはクラウド事業の拡大に伴って中堅中小企業にも一層広げていきたい」――。日本オラクルでIaaS/PaaS事業を担当する竹爪慎治 執行役員は、同社が12月7日に都内ホテルで開催したプライベートイベント「Oracle CloudWorld Tokyo 2017」に伴って開いた記者会見でこう語った。
同社でSaaS事業を担当する桐生卓 常務執行役員も同じ会見で、「現在、お客様がどんどん増えており、それに対応するための態勢づくりに追われている状態だ」と好調ぶりを口にした。
クラウド事業をテーマにしたその会見には、Frank Obemeier 取締役 執行役 最高経営責任者(CEO)、クラウド・システム事業統括の大月剛 常務執行役員、クラウド・アプリケーション事業統括ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生氏、クラウドソリューション営業統括の竹爪氏が登壇した。
特に冒頭で竹爪氏の発言を取り上げたのは、オラクルがクラウド事業で中堅中小企業の新規顧客を拡大していることをかねて耳にしていたからだ。同氏が言うように、オラクルはこれまで大手企業を中心にビジネスを展開してきた。
それというのも、とりわけOracle Databaseが大手企業に強い支持を受けてきたからだ。従って、クラウドへの移行に際しても既存顧客が引き続きオラクルのサービスを利用することは想像がつくが、中堅中小企業の新規顧客が拡大しているのはなぜなのか。

左から、日本オラクルのFrank Obemeier取締役 執行役CEO、クラウド・システム事業統括の大月剛 常務執行役員、クラウド・アプリケーション事業統括ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓 常務執行役員、クラウドソリューション営業統括の竹爪慎治 執行役員