ざっくりわかるSNSマーケティング入門

第7回:SNSマーケティング実践編--ソーシャルリスニング&アクティブサポート - (page 2)

後藤真理恵 (SNSエキスパート協会 代表理事)

2018-03-09 07:00

企業側から話し掛けてファンとの関係を深める「アクティブサポート」

 アクティブサポートは、SNS、中でもTwitterを活用したカスタマーサポートの一つです。自社の商品やサービスに対する疑問や不安、要望、不満を発言しているユーザーを見つけ出し、企業のSNSアカウントから能動的に話し掛け、直接会話をすることで問題解決を図ります。

 ソーシャルリスニング活用方法の中でも特に難易度が高く、時間も手間も掛かりますが、SNSマーケティングにおいて重要な「ファンとの関係を深める」「ファンを集める」のに効果的な手法の一つです。

 なお、商品・サービスをやたらと売り込んだり、ひな型をコピー&ペーストして画一的なやり取りに終始したり、的外れな対応をしたりすると、せっかくのアクティブサポートが逆効果になりかねませんので十分注意しましょう。

図7-2:アクティブサポート
図7-2:アクティブサポート

アクティブサポートを行っているTwitterアカウントの例

 以下に、Twitterでアクティブサポートを実践している企業の一例を挙げておきます。ユーザーに呼び掛けるタイミングや相手に合わせた距離の取り方、相手の立場を考えた真摯なやり取りなど、ぜひ参考にしてみてください。

ソーシャルリスニングの始め方

 今日からでもすぐに始められるのが「ソーシャルリスニング」です。以下にそのやり方を紹介します。

・エゴサーチ

 「ego(自我)」+「search(検索)」の文字通り、Googleなどの検索サイトやSNSの検索機能を使って「会社名」「商品名」「サービス名」などで検索し、評判や評価などを確認する方法です。正式名称だけでなく略称や愛称などでも検索してみましょう。

・ツール

 無料のものから有料のものまで、さまざまなソーシャルリスニングツールが存在しますので、自社の予算とニーズに合わせて導入を検討してみるのもよいでしょう。

 エゴサーチを定期的に行い、得られた情報を取捨選択し、分析する。これを日々の業務の中で実践するには膨大な時間と手間が必要です。他にも考えるべきこと・やるべきことが山積しているであろうSNSマーケティング担当者の皆さんには、ぜひツールの導入検討をお勧めしたいと思います。

まとめ

 目立たないけれど効果的なSNSマーケティング手法「ソーシャルリスニング」と、その発展形「アクティブサポート」。貴重な情報資産である「ユーザーの生の声」を活用して、皆さんの企業におけるマーケティングのゴールを目指しましょう。

 次回はいよいよ最終回。SNSマーケティング担当者なら押さえておきたいSNSのトレンドについて紹介します。お楽しみに。

後藤真理恵
東京大学 文学部卒。中学高校教諭第一免許状(国語)取得。日本オラクルにて、技術者向け研修の開発~実施、講師育成、技術者向け資格試験の問題開発などを担当。その後はマーケティング、パートナービジネス部門などを歴任。2013年にコムニコに入社し、数多くの企業のSNSマーケティングを支援中。2016年11月、SNSエキスパート協会代表理事に就任し、SNSマーケティングの正しい知識を持つ人材育成にも努めている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]