第5回では、「SNSマーケティング実践編--アカウント運用に役立つ3ステップ(後)」として、Step3「効果を測る」について学びました。今回は、SNSマーケティング手法の1つ「SNS広告」について紹介していきます。
潜在顧客にアプローチできる「SNS広告」
第4回、第5回で紹介した「SNSアカウント運用」では、SNS投稿によって集まったファンに対する情報発信や関係構築が可能であると説明しました。SNSアカウントの運用はマーケティング施策の一つとして間違いなく効果的です。しかし、実は弱点もあります。それは、皆さんの企業・団体、または商品・サービスにまだ気付いていない「潜在層」へのアプローチに限界があるという点です。
その弱点を補い、「潜在顧客」となる皆さんの企業・団体に関心のある人(関心を持ってくれそうな人)たちをファンとして集めたり、その人たちに情報を届けたりするのに有効な手段が、これから紹介する「SNS広告」です。
図6-1:SNSマーケティング活動
SNS広告に共通する主な特徴
まずは、SNS広告に共通する主な特徴について紹介します。
(1)「インフィード型」である
SNS広告は、SNSの投稿やコンテンツと一体感のあるデザインフォーマットで掲載されます。他のユーザーの投稿になじむ形で表示されるため、ユーザーは「広告を見せられている」という意識をあまり持つことなく内容を読み進められます。
(※注1:コンテンツとは別枠の「広告エリア」に掲載される広告を「ディスプレイ型」と言います。Facebookではディスプレイ型広告も選べます)
(2)詳細なターゲティングが可能
SNSが持つユーザー情報(ユーザー個人の属性情報、ユーザー間の関係性など)をもとにした詳細なターゲットを設定することで、特定のユーザー層に対して広告を配信できます。これによって、ターゲットではないユーザーに表示されたり、クリックされたりすることによる無駄な広告課金を防げます。
(3)運用型・チューニングが可能
SNS広告は配信期間やターゲットを自由にコントロールできるため、年間行事や自社キャンペーンの開始などに合わせたタイムリーな広告配信が可能です。また、配信状況を見ながら常に調整を重ね、効率の良いターゲットやクリエイティブ(画像・テキスト)を検証しながら配信することも可能です。
一般的に、紙媒体やマスコミ媒体への広告は制作後の修正が困難ですが、SNS広告はユーザーの反応を確認しながらタイムリーかつ柔軟にチューニングを施せます。ゴールに向けた軌道修正が容易なため、目的とする効果が比較的に得やすい広告といえるでしょう。
(4)目的に合わせて選べるフォーマットと課金方法
SNS広告は、運用の目的に応じてさまざまなフォーマット、課金方法が用意されています。これらを適切に選ぶことで効率的に目標達成を目指せます。
- 主な広告フォーマット(一例):
―ウェブサイト誘導
―ファン・フォロワー獲得
―動画再生 - 主な課金方法:
SNS広告の課金方法はSNSごとに異なりますが、多くの場合、CPM、CPF、CPE、CPCなどを設定しています。目的に応じた課金方法を選択することで、無駄なく広告を配信できます。
図6-2:SNS広告の主な課金方法
SNS広告に共通する特徴を紹介しました。次に、主要SNSごとの広告についてざっくり解説していきます。