日立システムズは3月8日、人材配置や人材情報の管理に特化したクラウド型サービスを提供開始すると発表した。建設業や情報サービス業などの中堅中小企業を対象とする。
「人材配置サービス」では、プロジェクトの作業単位に割り当てられた技術者の作業予定と作業実績を、ガントチャートなどを用いながら視覚的に管理できる。また、各技術者の氏名・年齢・職種などの基本情報以外に、保有資格や過去の業務履歴、健康保険の加入情報なども細かく管理することが可能だ。
これにより、新たなプロジェクトに着手する場合や、他のプロジェクトで急に欠員が出た場合に、各技術者の空き状況だけでなく、保有資格やスキル、業務量・残業時間なども確認した上で、各作業現場に適した人材を迅速に配置することが可能になるという。
システム導入のイメージ図(出典:日立システムズ)
また、複数のプロジェクトを一覧化した状態で、時間単位のスケジュール割り当てや技術者ごとに抱えている作業量を参照することもできる。これにより、特定の技術者に業務が集中させず作業の平準化を図ることができ、限られた人材リソースの中でも最適な配置を行うことで、業務の効率化や生産性の向上を実現できるという。
同サービスはサイボウズのPaaS「kintone」を活用したクラウド基盤で提供されており、ユーザー企業は個別にサーバなどのITインフラを用意する必要がなく、短期間で安価にサービスを利用することが可能だ。また、システムの監視やバックアップなどの障害対策、不正アクセス防止などの安全対策についても標準サービスとして提供する。kintoneが提供している備品管理や契約書管理など50種以上のアプリケーションを無償で利用でき、マウス操作だけで画面配置や文言変更、機能追加が行える拡張性も備える。
同サービスを使うことで、企業はシステムの運用業務から解放され本来の業務に集中できるほか、システム導入後の変更や機能追加も容易に行えるため、トータルコストの低減が図れるという。今後、日立システムズは、同サービスを建設業だけでなく、情報サービス業や、デザイン会社などにも拡販し、2020年度末までに累計1000社への販売を目指すとしている。