SAPは、EUの「一般データ保護規則(GDPR)」に準拠する新たな3つのソリューション「SAP Hybris Identity」「SAP Hybris Consent」「SAP Hybris Profile」を発表した。顧客データを取り扱いとパーソナライズされたエクスペリエンスを提供する企業を支援するものになるという。
GDPRは5月25日に施行され、EU内で個人情報を取り扱う企業またはEUから個人情報を収集する企業は、世界中のどこでも適用の対象となる。
SAPは、2017年にGigyaを買収・統合したことで、ログインに関する安全な登録システム、相手方への同意に関する設定、プロファイル管理などを通じて、コンプライアンスの課題を解決できるようになった。今回のソリューションでは、数百のブランドで数十億のカスタマーアイデンティティ情報、数千のデジタルプロパティの管理が可能となり、GDPRのプライバシーおよびデータ保護規則の要件にも対応できる。
SAP Hybrisは、オムニチャネルのカスタマーエンゲージメント&コマース・ソリューション。最先端の顧客データ管理、コンテクストに即したマーケティングツール、統合化コマース処理を提供する。全てのタッチポイント、チャネルそしてデバイスを通じて商品、サービスおよびデジタルコンテンツの販売促進をサポートする。
SAP Hybris Identityは、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、IoTデバイスなどのユーザー認証のオプション、システム連携標準、シングルサインオン機能を提供する。カスタマーアイデンティティ情報を取得、保存することで、最適化された登録フローでコンバージョンを向上させつつ、なりすましや情報窃盗から顧客を保護する。
SAP Hybris Consentは、企業からのメールやクッキー使用の同意など、サービスおよびプライバシーの合意条件について顧客から同意を得て、監査のために利用許諾と同意履歴を顧客のライフサイクルにわたり追跡する。この情報はマーケティング、セールス、およびサービスのアプリケーションと同期でき、同意取消、データのエクスポート、アカウント削除の機能によって、個人情報を制御することが可能。同意レコードは安全なデータ記憶域に格納される。
SAP Hybris Profileは、カスタマーアイデンティティ情報、プロファイル属性、およびその他のシステムデータを単一の顧客ビューにまとめ、全てのアプリケーションやサービス、データウェアハウスにリアルタイムまたは一括で取り込むことができる。企業は単一の顧客ビューで、顧客のライフサイクルのあらゆる情報を管理し、顧客の同意を取得し、透明性を確保しておくことが可能になる。また、単一の顧客ビュー内でデータを分析し、デジタルエクスペリエンスの計画、予測、最適化を行える。