調査

「データリテラシーに自信あり」、日本はわずか6%--米クリック調査

藤本和彦 (編集部) 2018年03月28日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 クリックテック・ジャパンは3月27日、日本を含めたアジア太平洋(APAC)地域においてデータリテラシーに関する調査結果を発表した。APAC地域諸国と比べて、日本のデータリテラシーの低さが明らかとなった。

 「データリテラシー」について、クリックテックでは、(1)データを読み解く能力、(2)データを業務で活用する能力、(3)データを使って分析する能力、(4)データに基づいて議論する能力――と定義。これらの能力を兼ね備ることで、データ主導の戦略的な決断が可能になるという。

 調査は、米Qlik Technologiesの独自調査として調査会社の英Censuswideに委託した実施した。日本、インド、オーストラリア、シンガポール、中国のAPAC地域5カ国の合計5288人(日本は1061人)のビジネスパーソンが対象。経営幹部から一般社員まで幅広く回答を集めた。期間は2018年1月30日~2月14日。

北村守氏
クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー 北村守氏

 調査結果によると、「データリテラシーに自信がある」と回答したのは、インドが最も高い45%、オーストラリアが20%、シンガポールが15%、中国が11%で、日本は最も低い6%だった。「“文化的背景”によって日本は評価が低くなりがち」(クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー 北村守氏)としながらも、日本のデータリテラシーの低さが際だった形だ。

 職位が上がるほどデータリテラシーを備えていると回答した割合が高くなり、経営幹部では24%に達した(上位管理者は14%、中間管理職または専門職は6%)。職位が高いほど機密性の高い経営情報にアクセスし、意思決定に生かせる環境にあるためではないかと北村氏は説明する。データアクセス権限の低さがデータリテラシーを阻害する要因の一つとなっているわけだ。

 実際、「自社の全員がデータを活用する権限を持っている」と回答したのは、APAC地域全体で23%だったのに対し、日本は11%だった。対象地域内で最も低い結果となった。また、データ活用にストレスを感じないとした割合はわずかに31%。つまり、およそ7割がデータ活用に抵抗感を持っているという。

 調査では、業務パフォーマンスとデータリテラシーの間での強い相関性が確認された。データリテラシーを備えているとした回答者の97%が職務遂行にも自信を持っていることが分かった。一方で、データリテラシーを備えていないとした回答者で職務遂行に自信を持っている割合はわずか9%だった。

Paul Mclean氏
Qlik Technologies APACデータリテラシーリード Paul Mclean氏

 日本は、APAC地域の国々と比べてデータリテラシーが低い傾向にあるものの、データ活用への期待は高まっているようだ。日本の調査対象者の67%が現在の職務において「週に1回以上の頻度で業務上のデータ分析に関与」しており、36%が「3年前と比較して大量のデータを扱うようになった」と回答した。

 ただ、「データリテラシーが高いほど職場における信頼性が向上すると考えている」と回答したのは42%にとどまった。半数以上の回答者はデータリテラシーが高まっても信頼性の向上につながらないと感じているようだ。

 日本の対象者の72%が「データが自分の仕事をより良くするのに役立つ」とした一方で、48%が「職場でデータリテラシーやスキルに関するトレーニングがない」と回答。また、「データリテラシー向上に時間や費用を費やしたい」と考えている回答は31%にとどまった(日本を除くAPAC地域は82%)。

 こうした日本の現状について、北村氏は「データリテラシーの重要性は認識されているが、APAC地域諸国と比べて、まだ意識の遅れが見られる」と指摘した。

 Qlik Technologies APACデータリテラシーリードのPaul Mclean氏は27日に開いた記者会見で、「経営層と従業員の間にはデータリテラシーに大きなかい離がある。これがビジネス成長の阻害要因となっている」と説明し、データアクセス権限の拡大やデータリテラシー戦略の導入、カルチャーシフトの推進が必要であるとした。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算