第3弾の「INFINITY Command」は、陸上などから船長による操船や取得した船舶情報を元に自動運航を可能にする中長期の展望だ。JRCSによれば船舶の世界でも自動運転の研究が始まり、ロールス・ロイスや日本郵船が既に取り組んでいるが、JRCSは陸上などの遠隔地から操船指示を出す「デジタルキャプテン」の実現や、AI(人工知能)を用いた安全運航や省力化の検証に取り組んでいる。サービス展開は2030年頃を目指し、自動運航船の運用は2035年を目安にプロジェクトを進めていく。
「INFINITY Command」のコンセプトイメージ。海底地図や天候を仮想的に描き、陸地から船舶運航にまつわる指示を可能にする
JRCSは「海洋市場におけるデジタル変革の推進を複合現実で目指したい。デジタルプラットフォーマーとして新しい価値を共創していく」(近藤氏)。日本マイクロソフトは「JRCSのデジタル変革を支援できるITパートナーを目指す。働き方改革についても踏み込んで共に歩みたい」(平野氏)と、両社は協業の価値を語った。