ブロック型端末で間接工数を削減--クボタが飲食向けツールを応用

藤本和彦 (編集部)

2018-04-10 07:00

 農業機械メーカーのクボタは、エスキュービズム製のブロック型コールベル「ねがブロ by noodoe」を導入した。工場内の組み立てラインで活用することで、作業の無駄を減らし、生産性の向上につなげている。

 ねがブロはもともと、飲食店を中心に導入が進められてきたツール。手のひらサイズのブロックを倒すと、リストバンドが振動して相手に用件が伝わる仕組みだ。店舗や施設の運営を効率化したり、顧客の待ち時間を削減したりすることで、顧客満足度の向上につなげる。クボタでは、これを工場でも応用できないかと考えた。

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 従来、クボタの枚方製造所では、工場内の組み立てラインで担当者を呼び出す方法として「アンドンシステム」を活用していた。組み立てラインで作業員が呼び出しボタンを押すと、モニタに呼び出した工程場所が表示される。呼び出された工程担当者はモニターを確認して現場に向かい、要望を聞いて対応のために工場内を何往復もしなければならなかった。

 同工場は組み立てラインだけでも直線で約200mに達する。端から端まで往復するだけでも一苦労で、こうした間接工数が悩みの種となっていた。さらに、往復を繰り返している間も、組み立てラインはずっと動き続けるため、わずかなタイムロスも生産の遅れにつながってしまう。優先順位が分からず効率的にさばけない結果、ラインを止めてトラブル対応に時間を使うこともあったという。

 ねがブロを導入することで、作業員の呼び出し内容が具体的に担当者に通知され、内容確認のための無駄な往復を減らし、間接工数を削減することに寄与した。具体的には、緊急時は従来と同じくモニタに表示し、それ以外はねがブロで対応するようにした。モニターとリストバンドを併用して緊急度を分けることで、対応の優先順位を付けやすくした。

 また、呼び出しのための大音量の呼び鈴がなくなることで静かな作業環境が構築され、精神的な負担も軽減されたという。既に他の現場でも欲しいという声が上がっているとのこと。

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