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経産省と東証が「攻めのIT経営銘柄2018」を発表--選出企業は最多

國谷武史 (編集部)

2018-05-31 06:00

 経済産業省と東京証券取引所(東証)は5月30日、「攻めのIT経営銘柄2018」と「IT経営注目企業2018」をそれぞれ発表した。攻めのIT経営銘柄には493社のエントリーがあり、32社が選出された。いずれも過去最多となる。

 攻めのIT経営銘柄は2012年に開始され、東証に上場する企業の中から、積極的なIT活用を通じて中長期的な企業価値の向上、競争力強化などの視点から経営革新、収益水準・生産性向上に取り組む企業を紹介するもの。

 全ての上場企業に対して行ったアンケートの結果から、(1)経営方針・経営計画における企業価値向上のためのIT活用、(2)企業価値向上のための戦略的IT活用、(3)攻めのIT経営を推進するための体制及び人材、(4)攻めのIT経営を支える基盤的取り組み、(5)企業価値向上のためのIT投資評価及び改善のための取り組み――の5つの項目と財務状況でスコアリングする。ここから選考委員会が、(1)スコア・ROEが一定基準以上、(2)選定委員会による取り組み評価が一定基準以上、(3)重大な法令違反などが――の3つの基準で選出する。

 2018年のIT経営銘柄には、TATERU、大和ハウス工業、サッポロホールディングス、アサヒグループホールディングス、帝人、住友化学、富士フイルムホールディングス、ブリヂストン、JFEホールディングス、小松製作所、IHI、日立製作所、富士通、日産自動車、凸版印刷、関西電力株式会、東日本旅客鉄道、ANAホールディングス、ヤフー、伊藤忠テクノソリューションズ、三井物産、Hamee、日本瓦斯、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、大和証券グループ本社、東京海上ホールディングス、東京センチュリー、大京、レオパレス21、LIFULL、ディー・エヌ・エーが選出された(並びは業種・証券コード順)。

「攻めのIT経営銘柄」選出企業の代表者
「攻めのIT経営銘柄」選出企業の代表者

 一方、IT経営注目企業2018は、IT経営銘柄ではないものの、「総合評価が高い」もしくは「注目すべき取り組みを行っている」企業を選出する。「攻めのIT経営」の裾野を広げる目的で発表しているという。

 2018年の注目企業には、大林組、積水ハウス、三菱ケミカルホールディングス、資生堂、横浜ゴム、京都機械工具、ダイキン工業、日本電気、タムラ製作所、大日本印刷、中国電力、日本航空、システム情報、テクマトリックス、シンクロ・フード、TDCソフト、パルコ、ふくおかフィナンシャルグループ、カブドットコム証券、MS&ADインシュアランスグループ ホールディングス、日立キャピタル、ルネサンス(同)の22社が選ばれた。

「IT経営注目企業2018」選出企業の代表者
「IT経営注目企業2018」選出企業の代表者
「攻めのIT経営委員会」委員長の伊藤邦雄氏
「攻めのIT経営委員会」委員長の伊藤邦雄氏

 「攻めのIT経営委員会」の委員長を務める一橋大学 大学院経営管理研究科特任教授 CFO教育センター長の伊藤邦雄氏は、2018年の審査では、IT活用による「革新的な生産性の向上」「既存ビジネスの拡充」「ビジネス革新」の実現――の3つを評価基準にしたと説明する。アンケート結果の分析からIT経営が進んでいる業種は電気機器と銀行、遅れている業種は金属製品といった傾向が見えるが、平均値との差異はさほどないのに対し、IT経営銘柄に選出された企業は平均値を大きく上回るものになっている。

 選出企業に共通して見られる傾向には、IT活用のミッションを担う責任者がビジネスや最新技術の動向に精通して、ビジネス革新へ非常に積極的であることや、投資家をはじめとするステークスホルダーとのコミュニケーションにおいてもデジタル技術を駆使していることがあるという。2018年は、レガシーシステムの刷新などを含む抜本的かつ計画的な情報システムの見直しを実行し、最新のデジタル技術にも積極的なトライアルと投資を行っている状況が判明したという。

レガシーマイグレーション(別名ITモダナイゼ―ション)やデジタル投資では、上場企業平均と「攻めのIT経営銘柄」選出企業との差が歴然だった
レガシーマイグレーション(別名ITモダナイゼ―ション)やデジタル投資では、上場企業平均と「攻めのIT経営銘柄」選出企業との差が歴然だった

 伊藤氏は、既に経営とITは密接な関係にあり、政府の推進する次世代社会の実現に欠かせないIoTや人工知能(AI)、ビッグデータなどのデジタル技術を企業の無形資産として見る向きがステークスホルダーの間に広がっているといると解説する。ステークスホルダーは、企業が持続的な企業価値の向上を目指してIT活用に積極的であるかを厳しく評価しているとした。

「攻めのIT経営銘柄」選出企業の株価はTOPIXを上回るという
「攻めのIT経営銘柄」選出企業の株価はTOPIXを上回るという

 伊藤氏の分析では、2018年のIT経営銘柄に選出された企業の株価は、東証株価指数(TOPIX)を上回るパフォーマンスを示すことが判明。選出後の効果についても、2017年に選出企業の株価は、少なくとも2018年初頭まではTOPIXを上回るパフォーマンスを見せており、「持続的にIT経営銘柄に選出される取り組みを各社に期待したい」と語った。

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