OpenTextがクラウド戦略を強化--マイクロサービスベースのクラウド基盤

末岡洋子

2018-07-13 07:00

 エンタープライズ情報管理(EIM)のOpenTextは7月10日、カナダ・トロントで年次イベント「OpenText Enterprise World 2018」を開催した。ハイブリッドEIMプラットフォーム「OpenText OT2」を発表したほか、現行のEIM「OpenText Release 16」では主要3大パブリッククラウドへの対応を発表するなど、クラウド戦略の強化が中心となった。

 OpenTextで最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)でバイスチェアを務めるMark Barrenechea氏は、集まった5000人の顧客やパートナーを前に、「われわれはクラウドで生まれ変わる」と述べて「OpenText OT2」を発表した。ハイブリッドクラウドプラットフォームで、EIMのRelease 16に事前統合される。「マイクロサービスを土台に最初から構築したEIMサービスとアプリケーション実装のためのハイブリッドプラットフォーム」とBarrenechea氏は説明する。

 顧客やパートナーは、マイクロサービス形式で提供されるコンテンツコラボレーション、セキュリティ、プロセス自動化などをAPI経由で利用しながら、SaaSベースのサービスをOpenText Enterprise Cloudに構築できる。特徴は、単一のデータモデル、単一の技術スタック。「25年間のコンテンツサービス、顧客サービス管理、ビジネス管理、ビジネスネットワークで培った技術を統合した」とBarrenechea氏、デモではレゴブロックのように簡単にサービスを構築する様子を見せた。

 OpenText OT2は、Cloud Foundry、Kafka、Elk、NewRelic、PostgreSQL、Apigeeeなどで構成される「OT2 Platform」、認証、IAM(Identity and Access Management)、ワークフロー、コンテンツサービス、アナリティクスとAIなどで構成される「OT2 Services」、CORE、Archive Center、People Center、Business CenterといったOpenTextのアプリケーションで構成される「OT2 Applications」と3つの柱を持ち、四半期に一度アップデートされる。

ライフサイエンスアプリケーションの場合、マイクロサービスで提供される機能やサービスの中から必要なものを組み合わせて簡単に構築できるという。
ライフサイエンスアプリケーションの場合、マイクロサービスで提供される機能やサービスの中から必要なものを組み合わせて簡単に構築できるという。

 Enterprise Worldではまた、主力製品で「イノベーションのためのプラットフォーム」とBarrenechea氏が形容するEIMプラットフォームOpenText Release 16についても、パブリッククラウドへの対応が発表された。クラウドはAmazon Web Servies、Microsoft Azure、Google Cloud Platformの3種。

 Release 16は2016年3月に発表され、2020年春までのライフサイクルを持つ現行版。その間、Enhancement Pack(EP)として機能強化を届けている。最新のEPとなるEP4は4月に登場しており、次期EP5は11月の発表に向けて開発を進めているという。

 Barrenechea氏によると、顧客の多くはRelease 16をオンプレミスで実装しているという。OpenTextは、セキュリティなどを含むマネージドサービス(プライベートクラウド)も提供しているが、約2000の顧客がマネージドサービスを利用するなど重要なビジネスになっているという。「99.99%のアップタイムを約束しており、GDPR、ISO、SOCなどの規制遵守もサポートする」とBarrenechea氏、ライセンス持ち込み(BYOL)も可能だ。

 パブリッククラウドへの対応は、EP5での「完全にコンテナ化」により実現する。Barrenechea氏はこの意義について、「コンサンプションを簡素化する」と説明する。価格とサポートも簡素化し、1ユーザー月額99ドル(2000ユーザー以上が最小要件)のPrime Unlimited、24時間365日体制のグローバル対応サポートPrime Protect(COREも含む)を発表した。

Release 16とOT2のロードマップ。
Release 16とOT2のロードマップ。

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