ギットハブ・ジャパンは8月6日、日本の事業活動などについて説明した。来日した米GitHub セールス担当バイスプレジデントのPaul St.John氏は会見で、「ソフトウェア開発を行うエンジニアのための開発基盤を提供する。だが現在の状況は“知っている人は知っている”という状態だ。ビジネスの意思決定者にも認知を広げていきたい」とした。
また、Microsoftによる買収についても言及。「イノベーションのためのツールを世界に提供するというのが同社の基本姿勢だ。Microsoftによる買収は、GitHubにとっても、ユーザーにとっても受け入れられるものだ」とした。
米GitHub セールス担当バイスプレジデントのPaul St.John氏
今回の説明会は、技術的な観点からものではなく、GitHubの生い立ちや役割、基本戦略などを示すものとなった。
「日本国内では大企業に採用されている。モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、コネクテッドカーの市場拡大に合わせて、われわれのツールを使ってもらいたいと考えている。イノベーティブ(革新的)な企業は既に使い始めているが、製造業や小売りなどの企業にも裾野を広げたい。日本市場における機会は大きいと考えている」(ギットハブ・ジャパンの長島理恵マーケティングダイレクター)とした。
またJohn氏も、「多くの人は、GitHubをオープンソースのプラットフォームとして理解しているが、企業の開発環境に最適化された共有ツールとして『GitHub Enterprise』を提供していることはあまり知られていない。また、開発者は知っていても、ビジネスの意思決定者には知られていない。意思決定者への認知を高めることで、GitHubを活用する開発者を支援することにもつながる」とした。
会見では、GitHub設立の経緯についても説明。John氏は、「GitHubはデベロッパーカンパニーであり、数百万人の開発者がコードを中心に協力したり、アイデアを共有したり、問題を解決したりできる。10年前に創業してから、ソフトウェアの開発環境は大きく変化した。開発者の可能性を存分に生かせるのが特徴で、オープンソースプロジェクトの推進やビジネスの進化に貢献できる」と前置きし、「2008年に創業したGitHubは、数人の開発者が集まり、もっと簡単にコーディング作業ができないかという発想から始まった。当時は、コードを書いたら直接会って議論するか、メールでやり取りすることが中心だった。これは非常に非効率なやり方で、開発時間の多くをミーティングなどに取られていた。GitHubによって、オンラインでコードを共有できるようになり、複数の人が同時に閲覧し、作業できるようになった」とした。