Googleは自社のクラウドプラットフォームを活用し、さまざまな業界で共通して利用できる機能をパッケージ化した人工知能(AI)サービスを提供する計画だ。
同社は米国時間8月17日、この計画について、さらなる詳細を明らかにした。同社は7月、カリフォルニア州サンフランシスコで7月に開催した「Google Cloud Platform's Next '18」カンファレンスで、企業のAIパッケージを提供する意向を明らかにしていた。
クラウド大手の「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」も、同様のサービスを提供する可能性があるため、Googleのこのアプローチは注目に値する。AIは、石油・ガス、小売、製造など、特定業界向けの用途がある一方、あらゆる企業が必要とする幅広い機能セットを提供できるという現実も見逃せない。
そこで登場するのが、AIのパッケージ化というGoogleのアプローチだ。これらのプリパッケージAIサービスは、主にパートナー企業を通じて提供される見通しだ。(カスタマイズをしたい場合)参照アーキテクチャやベストプラクティスを活用することも可能だ。
サービスの第1弾として、次のようなものがある。
- 「Contact Center AI」:音声応答装置(IVR)ソリューションに代わってAIが、顧客を応対スタッフにルーティングする。会話をもとにAIが重要データを提示し、応対スタッフによる迅速な対応を支援する。トレンドの特定や、問題が発生する頻度の分析もできる。わずか1カ月間に、800以上の顧客が先行アクセスに登録済みだ。
- 「Cloud Talent Solution」:人材のリクルートを行い、雇用までの期間を短縮する。以前は「Cloud Job Discovery」という名称で提供されていたサービスで、すでに一般提供を開始している。
- 「Recommendation Solution」:これはプリパッケージソリューションではなく、参照アーキテクチャである。開発者が「Google Cloud Platform」の機械学習を活用して、自らのマーケットプレイスを強化できるようにする。
垂直市場を対象にした企業向けソフトウェアベンダーの販売アプローチとは、これらのAIクラウドサービスは方向性がやや異なるだろう。クラウドベンダーはAIを水平的に展開して、カスタマイズは各企業に任せるというアプローチをとるのが無難なのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。