調査

基幹業務システムにおける可用性トレンドを予測--IDC

NO BUDGET

2018-09-27 12:09

 IDC Japanは、「国内SoR(System of Record)向けエンタープライズインフラ市場ハイアベイラビリティインフラ予測、2018年~2022年」を発表した。SoRは、法人や個人事業主の事業活動(商取引)や公的機関における公的サービス提供活動の記録や処理を行う、ミッションクリティカルな基幹業務システムで、可用性(アベイラビリティ)が重要なシステム要件の一つになっている。

 同レポートによると、2022年の国内SoR向けエンタープライズインフラ市場は2385億5700万円で、2017~2022年の5年間における年間平均成長率はマイナス3.2%になる。

国内SoR向けエンタープライズインフラ市場 配備モデル別 成長率と構成比予測、2018年〜2022年
国内SoR向けエンタープライズインフラ市場 配備モデル別 成長率と構成比予測、2018年〜2022年

 IDCが定義するサーバの4つアベイラビリティレベルは、「ノープロビジョン(AL1)」、「ワークロードバランシング(AL2)」、「クラスタリング(AL3)」、「フォールトトレラント(AL4)」となっている。

 同市場の予測をアベイラビリティレベル別、配備モデル別に見ると、成長セグメントに該当するのは、「AL1-3 SoR on Cloud」と「AL4 SoR on Cloud」の2つのセグメントとなる。

 2022年の国内AL1-3市場(アベイラビリティレベル 1-3市場)は、トラディショナル(AL1-3 SoR on Traditional)が1398億8200万円で年間平均成長率はマイナス5.0%、クラウド(AL1-3 SoR on Cloud)が549億6200万円で年間平均成長率はプラス6.1%となる。

 AL4(Availability Level 4市場)は、トラディショナル(AL4 SoR on Traditional)が422億6100万円で年間平均成長率はマイナス6.2%、クラウド(AL4 SoR on Cloud)が14億5200万で年間平均成長率はプラス3.9%。また、同市場における2022年のトラディショナルとクラウドの構成比は、トラディショナルが2017年の98.0%から1.3ポイント低下して96.7%に、クラウドは逆に2.0%から1.3ポイント上昇して3.3%になると予測される。

 IDCでは、AL1-3市場は、オープン仕様の製品が多く占めており、ベンダー独自仕様製品が大半を占めるAL4市場と比較すると、トラディショナルからクラウドへのシフトが進むとみている。

 また、オープン仕様の製品は、仕様の差別化による競争優位性が発揮しにくく、AL1-3 SoR on Cloudでは、クラウドサービスベンダーとの新たな競合が発生するため、他社競合が一番激しいセグメントになる。一方、AL4市場は、特に高いアベイラビリティが求められており、クラウド対応が進むオープン仕様のAL4製品が少ないことから、トラディショナルからクラウドへのシフトは限定的になるという。

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