Googleはロンドンで開催された「Google Cloud Next」カンファレンスでで米国時間10月10日、「Google Cloud Storage」の機能強化を発表した。デュアルリージョンのデータ複製、冗長性に関する選択肢の拡充、C++クライアントライブラリの追加などである。同社はユーザーによる管理の自由度を高め、アナリティクスのワークロードに関するオプションを提供したい考えだ。
詳細は以下の通り。
新オプションのデュアルリージョンにより、Google Cloudの特定リージョンのペア設定が可能に。目的は、事業の継続性、可用性、低レイテンシを提供することだ。データを格納するバケットに、リージョンのペアを指定すると、データを自動的に複製できる。デュアルリージョンのオプションは、現在ベータ版が提供されている。
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Googleによると、デュアルリージョンのオプションは、コンピューティングリソースとデータをより近い場所に配置できるようになるため、アナリティクスやビッグデータのワークロードでメリットを発揮する。デュアルリージョンが指定された単一のバケットに対して読み出しと書き込みを行い、手動で1次サイトと2次サイト間でコピーなどの作業をする必要はない。最初に提供するデュアルリージョンは「us-central1」と「us-east1」を組み合わせた「nam4」と、「europe-north1」と「europe-west4」を組み合わせた「eur4」である。
Google Cloudの製品管理担当ディレクターであるDominic Preuss氏によると、デュアルリージョンのオプションは、データを保存している場所を把握し、その近くに計算ワークロードを置く必要がある企業にとって有用である。例えばTwitterは、300Pバイト相当のHadoopクラスタをGoogle Cloud Platformに移す予定だが、デュアルリージョンによって、コストとレイテンシを低減できるという。
「Nearline」と「Coldline」のストレージクラスで、複数リージョンにおける地理的冗長性を提供。Googleによると、アクセス頻度の低いデータの可用性を高めつつ、ストレージコストを低減できる。またGoogleは、可用性に関するサービス品質保証(SLA)を99%から99.9%に引き上げた。
ユーザーは、複数リージョンの冗長性を備えつつ、ミリ秒のレイテンシでデータにアクセスし、アーカイブストレージとしての価格を維持できる。
クラウドストレージのオプションを簡素化。Google Cloud Storageは、1つのAPIを持つ1つの製品で、4つのストレージクラス(「Multi-Regional」、「Regional」、Nearline、Coldline)を提供していた。デュアルリージョンのストレージに加え、NearlineとColdlineの地理的冗長性が提供されるようになったことで、Google Cloudは今後、冗長性(Multi-regional/Dual-regional/Regional)とアクセス(Standard/Nearline/Coldline)のタイプによって、改めてオプションを整理した。料金体系は以下の通り(単位は米ドル)。
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Cloud Storage C++ライブラリを追加。開発者は、「Google Cloud Client Library for C++」により、C++を使ってGoogle Cloud Storage向けアプリケーションのプログラミングが行える。C++ライブラリの提供は、Google Cloudにとって重要な2つの業界、ゲームと石油・ガスによって促された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。