MicrosoftのAzure Diagnostics部門担当プリンシパルプログラムマネージャーであるMario Hewardt氏は米国時間11月4日、同社のエンジニアらが、人気の高い「Windows Sysinternals」をLinuxに移植するために取り組んでいることを明らかにした。
その数時間前には、Microsoftの社員であるDavid Fowler氏が、Windows Sysinternalsユーティリティの1つである「ProcDump」を、Linuxに移植したことを発表している。
Turns out we made a procdump for linux! https://t.co/YInC1lfFme #sysinternals cc @markrussinovich
これに続きMario Hewardt氏はTwitterで、同社がWindows Sysinternalsの「Process Monitor(Procmon)」のLinux移植に取り組んでいるところだとツイートしている。Hewardt氏のその後のツイートによると、こうした移植は、Sysinternalsのユーティリティ群をLinuxユーザーのために利用可能にするという、同社のより大きな計画の一部のようだ。
Indeed. Let us know what you’re interested in and we’ll take a look.
— Mario Hewardt (@MarioHewardt) November 4, 2018
Sysinternalsは1996年に、Windowsのデバッグ用に開発された無料のソフトウェアユーティリティ群の総称だ。Microsoftは、その開発元のWininternals Softwareを2006年に買収した後もツールの開発を続け、同社の「TechNet」ポータルで提供している。
Sysinternalsのコレクションには、CPUとメモリ性能のデバッグ、ローカルプロセス分析、ハードディスクのフォーマット、ログ分析、ネットワークのデバッグ、ファイルの完全性の検証など、さまざまな用途のために何十ものツールが含まれている。
現在Windows Sysinternalsが、システム管理者必須のツールであることに疑いの余地はない。またシステム管理者に加え、セキュリティ研究者の間でも、マルウェアを突き止めるツールとして高い人気を誇る。
MicrosoftのエグゼクティブバイスプレジデントのScott Guthrie氏は9月にインタビューで、「Azure VMのおよそ半数でLinuxが稼働している」と述べた。
Azure VMを稼働させるOSとして、Linuxの導入が増えていることを考えると、Azureのエンジニアがお気に入りのデバッギングユーティリティを自身のために、そして同社の顧客のために移植しようとするのは、当然の流れと言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。