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顔認識が強みの中国AIベンチャー、センスタイム--ホンダと自動運転の共同開発も

藤本和彦 (編集部)

2018-11-08 07:00

 中国・香港に拠点を置くSenseTime Group(商湯科技、以下SenseTime)は、ディープラーニング(深層学習)を活用した人工知能(AI)と顔認識技術の研究と開発を手がけるベンチャー企業。共同創業者で最高経営責任者(CEO)の徐立氏が2014年10月に香港中文大学の湯暁鴎教授らとともに設立。特に人や物などの移動体を認識する技術で高い評価を受けている。

 創業当時の顧客は、中国でオンライン消費者金融サービスを提供する企業だった。ちょうど中国でインターネットを活用した消費者金融サービスが登場し始めたころであり、スマートフォンで撮影した身分証明書と本人の顔写真を照合して本人確認を行う仕組みが必要だった。その処理を自動化するのに、SenseTimeの顔認識技術が利用された。

 「SenseTimeの顔認識技術は年齢変化や照明変化に強みがある。中国の身分証は有効期間が20年と長いため、加齢による顔の変化に対応できる技術が必要になる。また、室内・屋外で照明環境が異なっても正しく認識できる」と、SenseTimeの副社長で、日本法人のセンスタイムジャパンでCEOを務める勞世竑氏は話す。

 実際、同社の画像認識技術は、スタンフォード大学をはじめ、複数の大学で共同開催している画像認識技術の競技会「ImageNet」で2015年度と2016年度に優勝という実績がある。その精度は「人間の認識能力を超える」(勞氏)と豪語する。

 日本法人を設立したのは2016年1月。現在は40人程度の企業規模になっている。2017年12月には、本田技研工業の子会社である本田技術研究所と自動運転のAI技術に関する5年間の共同研究開発契約を締結した。

 本田技術研究所では、走行環境と歩行者や車両の振る舞い・意図を推定する「シーン理解」、走行環境と意図推定結果に基づく歩行者・車両の将来位置を予測する「リスク予測」、リスク予測に基づき、停止・発進・回避などの自車の行動判断と走行軌道を生成する「行動計画」といった自動運転システムへ適用するAIアルゴリズムを研究開発している。これにSenseTimeの移動体認識技術を組み合わせることで、複雑な交通状況の市街地でも走行を可能にする、より高度な自動運転技術を開発する。

 AIアルゴリズムを学習するための大規模計算技術や、AIプログラムを車載コントローラへ実装する技術についても、共同で研究開発を進める。

 今後の国内展開については、自動車産業、工場自動化(FA)、社会インフラの各領域に注力すると勞氏は話す。「例えば、これまで手動で計測していた交通量のカウント作業を、画像認識AIを使って自動化できるだろう。そういったサービスの展開を考えている」

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