経産省が「AIエッジコンテスト」開催--初回テーマは画像認識

ZDNET Japan Staff

2018-11-15 14:22

 経済産業省は、11月19日から2019年1月27日まで「AIエッジコンテスト」を開催すると発表した。第1回では画像認識での物体検出精度を競う。

 同イベントは、優れた技術やアイデア、人材の発掘と同分野への参画を促すことを目的に、実データを使い、実装を意識した課題の解決を競うという。AIエッジとは、エンドポイント(データが発生する現場)に近い領域で人工知能(AI)技術など活用した情報処理を通じて何らかの価値の実現、提供を可能にする概念といえる。特に、極めて高いリアルタイム性が要求される処理や応答あるいはクラウドデータセンターなどでは対応仕切れない情報処理を担うといった役割が期待される。

 第1回では、同省の掲げる「Connected Industries」での重点取り組み分野とする自動走行やモビリティサービスの実現に欠かせない画像認識をテーマにしたという。コンテスト開催に際して同省では、都内一般道などの走行画像に(1)矩形タグ付け処理されたデータセット、(2)ピクセル単位でラベリング、セグメンテーション処理されたデータセット――の2種類を構築。これらのデータから物体検出などの精度を競う。

タグ付け処理されたデータセットのイメージ。データは3万枚の画像で、タグ付けは乗用車や歩行者など10種類(経済産業省資料)
タグ付け処理されたデータセットのイメージ。データは3万枚の画像で、タグ付けは乗用車や歩行者など10種類(経済産業省資料)
セグメンテーション処理されたデータセットのイメージ。データは3000枚の画像で、タグ付けは乗用車や歩行者など21種類(経済産業省資料)
セグメンテーション処理されたデータセットのイメージ。データは3000枚の画像で、タグ付けは乗用車や歩行者など21種類(経済産業省資料)

 コンテストには「オブジェクト検出部門」「セグメンテーション部門」の2つがあり、オブジェクト検出部門では、車両周辺のカメラ画像から物体の映る矩形領域を検出して物体を判別するアルゴリズムの作成を課題とする。セグメンテーション部門では、同画像からピクセル単位で物体の映る領域を検出に、同様に物体を判別するアルゴリズムの作成を課題としている。

 参加資格に制限はなく、2019年3月初旬に上位者の表彰を予定。上位者には、同年3月に自動車技術会が開催する「自動運転AI チャレンジ」への参加資格が与えられ、アルゴリズムの自動運転プログラムへの実装やカート車両への搭載、走行に挑戦できる。同省はコンテスト終了後に、上記のデータセットの公開も予定している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]