編集部からのお知らせ
コロナ禍とIT投資
「ニューノーマルとIT」新着記事一覧
シェアリングエコノミーの衝撃

シェアリングエコノミーの衝撃(8):日本型シェアリングエコノミーを考えよう

聞き手・文=松岡功

2018-12-12 06:00

 「シェアリングエコノミーの衝撃」連載の第8回は、この分野で重要な位置付けとなるプラットフォームビジネスなどを研究している富士通総研 経済研究所 研究主幹の浜屋敏氏に見解を聞いた。

取り引き上の「信頼」をどう担保するかが課題

--まず、シェアリングエコノミーについてどのように見ているか、お聞かせいただきたい。

富士通総研 経済研究所 研究主幹の浜屋敏氏
富士通総研 経済研究所 研究主幹の浜屋敏氏

 私が最も注目しているのは、個人間の取り引きが中心となって広がってきていることだ。発端となったAirbnbの民泊仲介やUber Technologiesのライドシェア(車の相乗り)といったサービスがグローバルで広がってきた中で、個人間でさまざまなものがシェアリングできるということに、みんなが気づいた。

 それによって、これまで個人の持ち物などで活用されていなかったものが、シェアされて活用されるようになった。これはまさしく、これまでになかった経済活動といえる。

 ただ、日本でシェアリングサービスが浸透していくには、大きな問題が2つあると見ている。1つは、他国に比べて「規制」のハードルが高いこと。AirbnbもUberもこの問題で苦慮している。

 もう1つは、取り引き上の「信頼」をどう担保するか。特に日本人は、知らない相手を最初から信頼しようとはしない傾向がある。一方、例えば、米国人は知らない相手に対してもあいさつの際、相手の目を見て握手をし、信頼の姿勢を見せる。こうした対応の違いはおそらく、それぞれの社会の成り立ちから来るもので、善し悪しをつけるものではないだろう。

 とはいえ、日本人の性格は、お互いに知らない者同士が取り引きを行うシェアリングサービスには向いていない。そこの信頼関係をどう担保するかが、日本でのシェアリングサービスの浸透、ひいてはシェアリングエコノミーの拡大に向けた大きな鍵となるのではないか。

--個人間の取り引きにおける信頼の担保という意味では、例えば、AirbnbやUberといったマッチングサービスを提供するプラットフォーマーが請け負う形になるのでは。

 取り引きを成立させたいプラットフォーマーは、そうした知らない者同士の個人間の信頼関係を支援しようと、SNSなどを駆使してコミュニケーションを取りやすくしたり、利用者による評価の仕組みを作ったりしており、その当たりのきめ細かさがサービスの人気度を左右しているところもある。

 ただ、何か問題が起きたとき、プラットフォーマーが最終的に責任を負うことはない。従って、利用者は基本的に自己責任であることを認識しておく必要があるのが、現在のシェアリングサービスの仕組みだ。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    安全なテレワークや在宅勤務を担保する、DCセキュリティの新パラダイム

  2. コミュニケーション

    PC不要!自宅でも会議室でも即ミーティングが可能!脅威のシンプルさの秘密とは?

  3. クラウドコンピューティング

    【事例動画】顧客との“つながり”を創出し「モノ」から「コト」へと実現したIoT活用法とは

  4. セキュリティ

    セキュリティ侵害への対応は万全ですか?被害を最小限にとどめるための10のヒントを知る

  5. セキュリティ

    SANS「2020 CTI調査」が明かす、サイバー脅威インテリジェンスの最新動向

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]