共同戦線による競合の整列
新会社のClouderaは、こうしたカテゴリのそれぞれにおいて勝利する参加者を選定するという点で、困難な仕事を抱えることになる。こういった変革によって引き起こされる顧客の移行を支援するのは容易ではないが、適切に実施できれば、最終的には影響が落ち着くとともに、顧客満足度が向上するはずだ。
Clouderaは依然として厳しい競争を強いられるだろう。HadoopのDNAという点から見た場合、MapR Technologiesは何年も前からオープンソーステクノロジとAPIを活用し、アナリティクスおよび人工知能(AI)にプロプライエタリなテクノロジをブレンドしたエンタープライズ指向のスタック構築にまい進してきている。そしてHortonworksと合併前のClouderaの双方が活動していたSparkの世界においても、Databricksが手ごわい挑戦者となっている。
クラウドに目を向けると、AmazonとGoogleはそれぞれ、独自ディストリビューションに基づいたHadoopサービスを提供している。そしてMicrosoftのクラウドによるHadoopサービス、すなわち「Azure HDInsight」はHortonworksのHadoopディストロをベースにして共同開発されたものの、Microsoftも全力を挙げてDIYという道に進むだろう。このためClouderaは、大手クラウドプロバイダーの自社ブランドに対抗するために、マルチクラウド対応のHadoopを提供するだろう。しかし、独立系のデータウェアハウス分野において、「Snowflake」(Snowflake Computing)や「Vertica」(Micro Focus)、「Greenplum」(Pivotal Software)といった相手との戦いが待ち構えているはずだ。
またMicrosoftは、同社の主力製品であるオンプレミス版のデータベースプラットフォーム「SQL Server」の次期リリースに向けて、HadoopとSparkのテクノロジを融合させている。そしてIBMやSAP、Oracleも、時にはHortonworksやClouderaと提携し、また時には自らの力で、HadoopとSparkを自社プラットフォームに統合している。つまり、そこかしこで小競り合いが起こっているわけだ。