IBMは米国時間2月12日、ハイブリッドクラウドの導入を支援する一連のツールとサービスを発表した。同社は2月12~15日にかけて、米国サンフランシスコで年次カンファレンス「Think 2019」を開催している。
新たに提供される「IBM Cloud Integration Platform」は、オンプレミス/パブリッククラウド/プライベートクラウドなど、システムが稼働する環境を問わず、多様なベンダーから提供されるアプリケーション、ソフトウェア、サービスをセキュアに統合できるよう設計されている。
開発者が必要とする統合ツールを単一の開発環境にまとめることが可能になる。作成・テスト・保護したコードは、プラットフォームに保存し、セキュリティやコンプライアンスに関する固有の要件を守りながら再利用できるとしている。
また、クラウドの設計、移行、統合、指針、構築を一括支援する「IBM Services for Cloud Strategy and Design」の提供を開始する。IBM Servicesでは、コンサルタントによる専任チームを立ち上げ、同社の経験を活用しながら、オープンでセキュアなマルチクラウド戦略を展開する。
企業が複数のクラウド事業者、オンプレミス環境、プライベートクラウドにまたがるITリソースの管理を簡素化するための一元管理システム「IBM Services for Multicloud Management」を発表した。
Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloudの実行環境を一元管理するダッシュボード
IBM Services for Multicloud Managementは、「ビジネス管理」「オーケストレーション」「運用」の3つの層で構成される。
ビジネス管理層は、デジタルサービスのオーダー機能やサービス管理機能、支出管理を支援するコストのガバナンス機能などを備える。オーケストレーション層は、異なる種類やベンダーのサービスを統合管理する自動化機能を備える。運用層は、レガシーインフラやプライベートクラウド、パブリッククラウド、コンテナ環境を含む複数のシステムを監視・保守できるように支援する。
さらに、パートナーシップを拡大するServiceNowとのサービス連携により、複数のクラウド事業者のクラウドサービスやソリューションを構成・調達する、統合されたセルフサービス環境を提供する。クラウドの状態を監視・管理するパフォーマンス管理サービスも用意する。
「IBM LinuxOne」をパブリッククラウドで提供する「IBM Cloud Hyper Protect Crypto Service」も提供を始める。これは、専用のクラウド・ハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)による暗号鍵の管理機能を備えており、「FIPS 140-2 Level 4」認定技術を使用する。
(取材協力:日本IBM)