東京都多摩市は、AI OCRとRPAを組み合わせて紙の定常業務を自動化する取り組みを始める。RPAツールを提供するUiPath、AI-OCR技術を有するインテックと協働で、7月まで実証実験を行う。
市職員が担う業務の中には、特定の時期に定常的な作業が膨大に発生するものがあり、長時間勤務の一因となっている。ソフトウェアロボットによる生産性の向上が期待されるRPA(ロボティックプロセスオートメーション)と、人工知能(AI)を活用したOCR(光学文字認識)を連携させることで、自治体業務で課題となっている紙の業務処理の効率化を目指す。
AI OCRは、非定型様式の帳票の印字を読み取り、指定の項目と値をAIを用いてひも付けしてデジタル化する。定型様式の取り込みが主だった従来のOCRと比べ、RPAの適用範囲を広げるテクノロジとして注目を集めている。
実証では、「住民税関連業務(課税課)」「児童手当関連業務(子育て支援課)」「保育園入所申請書入力業務(子育て支援課)」が対象業務になる予定。
多摩市は、業務の効率化や正確性の向上を図り、多摩市職員の時間外勤務の削減や市民サービスの向上につなげる働き方改革の取り組みの一環として、今後の本格導入を目指すとしている。