BI基盤「WebFOCUS」開発の老舗ベンダーが代替わり--新CEOが語る展望

藤本和彦 (編集部) 2019年06月03日 07時00分

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 Infomation Buildersは1975年に創業の老舗の独立系BI(ビジネスインテリジェンス)ベンダー。非上場のプライベートカンパニーで、EUCツールとしてメインフレーム版「FOCUS」に始まり、現在はBI基盤「WebFOCUS」を中核製品に、世界中の多業種・他分野の企業で採用実績を持つ。

 2019年1月には、創業者のGerald Cohen氏からFrank Vella氏へと最高経営責任者(CEO)が交代し、創業以来、初めての代替わりとなった。Vella氏は2017年5月に、最高執行責任者(COO)として入社。BlueJeans Network、Hewlett-Packard Enterprise(HPE)、Virtustream、Quest Software、Microsoftなどでキャリアを積んできた人物だ。

Infomation Buildersの新CEOであるFrank Vella氏
Infomation Buildersの新CEOであるFrank Vella氏

 今回は、新たに経営のかじ取りを担うVella氏にInfomation Buildersの今後について話を聞いた。

--今後の経営方針に大きな変更はあるか?

 まずはGeraldが築き上げてきた成功の根本をしっかりと守っていきたい。具体的には、「イノベーション」「顧客第一主義」「従業員満足」の3点だ。今後もこれらのバランスが重要になると考えている。例えば、ソフトウェア開発にアジャイル手法やクラウド基盤を活用してイノベーションを進める一方で、従業員にとって魅力的で働きやすい環境を整備していく。

 顧客体験についても同様に、従来通りの関係性を維持していく。BI基盤の構築は複雑で実装にも時間が掛かるため、マイクロサービスなどのアーキテクチャーを取り入れることで、テクノロジーへのアクセスが容易になる。また、モダンなUIによるユーザビリティーの向上、人工知能(AI)や機械学習(ML)などの導入も考えている。

--グローバルでの市場動向はどのように見ているか?

 新興のBIベンダーはエンドユーザ―にフォーカスを当てたものが多い。Infomation Buildersはエンタープライズ市場に注力しており、大規模ユーザーに対応するためのスケーラビリティーが重要と捉えている。複雑に絡み合ったデータソースや業務アプリとの統合も必要になる。

 大規模ユーザーで例を挙げると、NTTグループがグループ共通経理システムのレポーティング基盤としてWebFOCUSを採用し、グループ53社10万人超が活用している。WebFOCUSのライセンスはCPUコア単位で提供され、ユーザー数は無制限となっているため、このような大規模導入に対応できる。エンタープライズ規模で利用可能な高可用性や柔軟なセキュリティー設定なども評価された。

 企業とデータの関係性は時代とともに変わりつつある。以前はデータソースが限られ、利用者も少なかったが、昨今ではさまざまなソースからデータが大量に入ってくるようになり、全社展開を前提とした取り組みが活発化している。

 組織の規模が大きくなると一貫性や整合性を確保することが難しくなる。企業には一つの真実があり、それをもとに意思決定をする。これを実現するため、Infomation Buildersでは、「integration」「integrity」「intelligence」という3つの「i」をキーワードとしている。

--日本市場をどのように捉えているか? 今後の戦略について教えてほしい。

 非常に大きく安定していて成熟した市場だと感じている。WebFOCUSにとってはまだまだ成長の機会があると考えており、多くのサポートとソリューションを市場に投入していきたい。

 また、パートナーとの関係も重視している。日本では、アシストがWebFOCUSの総販売代理店になっている。Infomation Buildersとアシストのパートナーシップは、メインフレーム版FOCUSを取り扱い始めた1981年にさかのぼる。1997年にはWebFOCUSの日本での販売を開始し、製品検証や販売、サポート、教育などを手掛けている。

 また、2013年には、エンタープライズ規模でのニーズに応えるパッケージ製品「WebFOCUS EVO」の販売を開始している。これは、WebFOCUSを中軸にセルフサービスやレポート作成、セキュリティーなどの周辺機能をまとめて一緒に提供するものだ。

 日本での導入企業数は、2018年1月時点で1260社超。先述の通り、NTTグループなどの大規模利用もある。日本市場は、全世界の売り上げのうち約6~7%を占めている。これは、欧州の同規模の市場と比べても飛び抜けている。製品の提供だけでなく、ソリューションにも注力した結果だと思っている。

 アシストとの関係は38年間に及ぶ。企業文化としても共通する部分が多くある。このユニークな関係性を今後も続けていきたい。

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