スカパーJSATは、衛星管制システムの基盤にHCIソフトウェアの「Nutanix Enterprise Cloud OS」を採用した。ニュータニックス・ジャパンが6月13日に発表した。
サーバーメンテナンスの負担と10本を超えるラックスペースを削減し、管理部門から電気の使用量が激減したという報告も上がっているという。圧縮機能によってデータ容量も50%削減された。
スカパーJSATは、アジア最大の17機の通信衛星を保有し衛星放送サービス「スカパー!」や各種の衛星通信サービスを20年以上提供している。近年は低軌道衛星向け地上局サービスの受注や他社の保有する衛星の運用受託など、さまざまな事業を展開している。
同社は、2014年ころにこれまで運用してきた基盤を見直し、初めて仮想化に取り組んだ。当時、小規模な3層アーキテクチャー構成の仮想基盤を導入したが、ストレージがシングル構成でレプリケーションが行われておらず、ストレージコントローラーの障害対応時にシステム停止を余儀なくされるなど運用上の課題が顕在化していた。また、今後の衛星打ち上げの計画や新たな衛星運用受託案件の獲得なども考慮すると、柔軟にスケールアウトできる環境が求められていた。
Nutanix Enterprise Cloud OSについて同社は、スケールアウトしやすく、アップグレードや更改も容易に行え、障害時でも可能な限り冗長性が維持される点を評価している。またNutanixの管理ツールである「Prism」が洗練されている点も高く評価している。
現在、Nutanixの分散ストレージの環境によって、これまで課題だった可用性や拡張性に対して最適な形で環境独理が実装できているという。
同社は今後、「Zabbix」などIT系の監視システムや「Active Directory」などの認証系システム、顧客に提供するサービスなどもNutanixに集約していくことも検討していく。またファイルサーバーとして利用できる「Nutanix Files」の活用も検討している。