クラウド型のビジネスインテリジェンス(BI)ツールを提供する米Looker Data Sciencesの日本法人であるLookerは7月9日、報道機関向けの事業戦略説明会を開催した。同日には国内で初めてとなる年次イベント「JOIN Tokyo 2019」を都内で開催し、日本での事業展開を本格化させる。
Looker Data SciencesでCPOを務めるNick Caldwell氏
Lookerは2012年に米国で創業した新興のBIベンダー。「データをよりスマートに活用することによって、ユーザーがより多くのことを行えるようにする」をミッションに掲げる。日本法人は2018年9月に設立された。現在、グローバルでの顧客数は1700社超、新規顧客のうちの5社に1社が米国外の企業だという。
同社BIツールの特徴は、「LookML」と呼ばれるモデリング言語を使って指標の定義を行い、SQLを自動生成してデータを取得する点にある。事前に定義された指標を利用することで、分析結果などデータの一貫性が担保されるようになっている。
BIツール側でデータを保持しない仕組みを取っている。SaaSアプリケーションやトランザクションDB、ビジネスプランニング、ウェブ解析ツールなどに直接接続し、クエリーを実行することができる。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などのクラウド型データウェアハウス(DWH)と連携することも可能になっている。
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Lookerは、BIのインターフェースとしてだけでなく、カスタムアプリケーションや既存ワークフローへの組み込みにも柔軟に対応する。Looker Data Sciencesの最高製品責任者(CPO)を務めるNick Caldwell氏は、Lookerは単なるデータ探索やダッシュボードだけでなく、あらゆる従業員にデータを使ってもらうためのプラットフォーム」と説明する。
「企業内のさまざまなデータを集約した“シングル・ソース・オブ・トゥルース”を実現する」(同氏)
日本法人でカントリーマネージャーを務める小澤正治氏によると、国内では既に20社ほどが導入している。メルカリやZOZO、リクルート、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなど、データをビジネスに活用することが前提となっているような企業で利用が広がっているという。
「Looker Blocks」と呼ばれるテンプレートも用意する。さまざまなユースケースを念頭にあらかじめ設計されたコード集で、利用開始までの構築時間を短縮する。日本でのパートナーエコシステムの展開として、ウェブ接客アプリ「KARTE」に対応することが明らかにされている。
日本法人でカントリーマネージャーを務める小澤正治氏