IBMは米国時間8月1日、同社のソフトウェアを「Red Hat OpenShift」向けに最適化した、一連の統合型クラウドネイティブアプリケーション 「IBM Cloud Paks」の提供を開始した。IBMが7月にRed Hatの買収を完了してから初の統合製品となる。
IBMは340億ドル(約3兆7000万円)でRed Hatの買収を完了し、両社の統合や財務モデルに関する詳細を、8月2日に発表すると述べていた。
企業はRed Hat OpenShiftにより、アプリケーションを構築したり、「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」「Alibaba Cloud」「IBM Cloud」など、あらゆるクラウド環境のほか、コンテナや「Kubernetes」を利用するプライベート環境にワークロードを移すことができる。
IBM Cloudのバイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)のHillery Hunter氏によると、両社のアプリケーション統合の取り組みは、IBMとRed Hatが提携した2018年に始まったという。「Red Hat OpenShiftが稼働するすべての場所で、当社のソフトウェアを利用できるように最適化した。統合によって、一貫性のある管理と準拠が可能になり、複数クラウドの一括制御ができる」(同氏)
IBMはRed Hatと共に、以下の統合を行う。
- Red Hat OpenShiftは完全なマネージドサービスとして、IBM Cloudで運用可能。
- Red Hat OpenShiftは「IBM Z」と「LinuxONE」の両サーバーで稼働できる。IBMはすでに「IBM Power Systems」とストレージ製品で、Red Hat OpenShiftに対応。
- Red Hat製品向けにコンサルティングと技術サービスを提供。
- データ、アプリケーション、統合、自動化、マルチクラウド管理を扱う、5種類のIBM Cloud Paks製品を提供。
あらかじめ統合したIBM Cloud Paksにより、マルチクラウド環境で動作するアプリケーションスイートを提供するのが狙いだ。
Hunter氏は、企業がMicrosoft Azure、AWS、Google Cloud上にある、機械学習やAIのサービスを使用したい場合、Red Hat OpenShiftを介して可能であると説明した。「4時間あれば、IBM Cloud Pak for Dataを稼働させることができる」
IBM Cloud Paksの料金は公表されていない。Hunter氏によると、従量課金制となり、顧客は使用したいアプリケーションのライセンスを取得することになる。
IBMとRed Hat OpenShiftの統合製品はすでに提供されているが、IBM Cloud Paksはクラウド専用に最適化された新しい取り組みとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。