Cohesity Japanは8月6日、ワークロードのクラウド移行を容易にするという「Cohesity Runbook」と、脆弱性評価を行う「Cohesity CyberScan」の2つのアプリケーションを提供すると発表した。
Cohesityは、企業が保有するデータの大半を占めるセカンダリーデータの断片化に対応し、統一的な「Cohesity Data Platform」を提供、さらにスマートフォンのような使い勝手を実現するという「Cohesity MarketPlace」により、自社製およびサードパーティー製のアプリケーションをData Platform上に組み込めるアーキテクチャーを構築している。今回追加されたRunbookとCyberScanは、いずれも自社アプリケーションとしてMarketPlaceで提供される。
Cohesity Runbookの概要(出典:Cohesity)
Cohesity Runbookは、主にディザスターリカバリー(DR:災害復旧)用途を想定し、オンプレミスのサーバーからクラウドにワークロードを移動するプロセスを自動化する。まずはオンプレミスのVMware環境の仮想マシンのAmazon Web Services(AWS)への移動をサポートする。今後は、AWS以外のパブリッククラウド環境のサポートや、DR以外のワークロード自動化についてもサポートを拡大していく計画だという。
またCohesity CyberScanは、Cohesity DataPlatformにある仮想マシンのバックアップ(スナップショット)をスキャンし、脆弱性を評価する。脆弱性の情報源として公開情報のCommon Vulnerabilities and Exposures(CVE:共通脆弱性識別子)データベースを活用し、クラウド型の脆弱性管理ソリューション「Tenable.io」を利用しているという。バックアップデータを対象とするため、本番環境に影響を与えることなく脆弱性をチェックできる。また、バックアップデータに含まれる脆弱性をあらかじめチェックしておくことで、バックアップからのリストアを行う際に、脆弱性の影響を受けるリスクを把握しておくことが可能だという。
Cohesity CyberScanの概要(出典:Cohesity)
いずれのアプリケーションもCohesityの自社製アプリケーションとしてMarketPlaceに追加され、基本的に無償で利用可能だという。
Cohesity DataPlatformは、大量に存在し、かつ断片化されていることが多いセカンダリーデータをDataPlatformに統合し、さまざまなアプリケーションによってデータ活用を促進することを目指した意欲的なプラットフォームだが、実際のユーザーの利用例ではバックアップストレージとしての用途が大半だという。今回追加された2つのアプリケーションもバックアップ用途で利用しているユーザー向けに新機能を提供するとの位置付けであるようだ。
Cohesity Data Platoformとソリューションの全体像(出典:Cohesity)