ウイングアーク「Dr.Sum」のクラウド化にみる時代の変化 - (page 2)

松岡功

2019-08-08 07:00

競合製品と比べてDr.Sumの優位性はどこか

 以上が発表の内容だが、今回このサービスに注目したのは、国産BIソフトの草分けであるDr.Sumがクラウド化したことで、改めて企業のIT利用におけるオンプレミスからクラウドへの時代の変化を感じ取ったからだ。

 同社のBIソフトというと、現在ではMotionBoardが前面に出ているイメージがあるが、このMotionBoardも、もともとはDr.Sumのフロントエンド部分を切り出して、情報活用ダッシュボードとして幅広い利用を狙ったものである。

 ウイングアークがDr.Sumを発売したのは2001年5月。以来、年商50億~200億円の中小企業を中心に、これまで6000社を超える導入実績がある。同社広報部によると、「業種は卸小売と製造業が最も多く、販売管理に適用されるケースが圧倒的に多い」という。

 では、競合製品と比べてDr.Sumの優位性はどこにあるのか。同社広報部に聞いたところ、次のような点を挙げた。

 まず、「全社で利用できる基盤になる」。クライアントライセンスフリーなので、コストを気にすることなく全社で利用できる基盤となる点だ。このため、競合製品よりも低コストで導入できる。

 次に、「製品導入の柔軟性」。BIとして求められる機能を備えているうえ、顧客ニーズに合わせて必要な機能を組み合わせることができる柔軟性がある点だ。

 また、「超高速な集計エンジンの実装」。基幹システムやデータベース(DB)に直接問い合わせをかけると、負担がかかるとともに集計に時間を要するケースが多い。その点、Dr.Sumはデータウェアハウス(DWH)としてデータを蓄積し、集計専用のDBとして超高速に処理。そのパフォーマンスは、インメモリエンジンにより10億件のデータを約1秒で集計可能だ。

 このほか、「専門知識が不要」などの優位性を挙げた。

 こうした強みを持つDr.Sumが、いよいよクラウドサービスになったことで、先述したようにMotionBoard Cloudとの連携利用も一層進むだろう。今回のDr.Sumのクラウド化は、発売当初から見てきた筆者などにとっては、まさしく時代の変化を感じる動きである。

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