ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は8月7日、「みんなの銀行設立準備株式会社」を同月中旬に発足させると発表した。2020年度にモバイル専業の新銀行「みんなの銀行」の設立を予定しており、デジタル時代に向けてグループ会社が研究開発を進める次世代バンキングシステムを採用するとしている。
FFGは、デジタル技術の進展に伴う顧客の行動変化や社会構造の変容に対応すべく、既存の銀行ビジネスにおける構成要素をデジタル技術で根本的に変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。これまで傘下のiBankマーケティングが、マネー管理のモバイルアプリ「Wallet+」や地域ポイントプラットフォーム「myCoin」などのFinTech関連サービスを展開してきた。
新銀行に向けたアプローチ(出典:ふくおかフィナンシャルグループ)
新銀行は、既存の銀行ビジネスでは難しいデジタルサービスを好む顧客への対応が目的。準備会社は、本来の銀行が持つという「預金」「為替」「貸付(融資)」の3大業務と、「金融仲介」「決済」「信用創造」の3大機能をゼロベースで“再定義”するという。新銀行のコンセプトや具体的なサービス内容、スケジュールなどは決定次第発表するという。
またFFGは、5月にシステム開発を手掛ける「ゼロバンク・デザインファクトリー」を設立。同社は7月にGoogleが開催したカンファレンスで、アクセンチュアがGoogleのクラウドサービスをベースに開発を進める次世代コアバンキングシステム「MAINRI」の採用を発表した。FFGでは、新銀行で新しいバンキングシステムを活用すると説明している。
「Google Cloud Next '19 Tokyo」でゼロバンク・デザインファクトリーが採用を発表したアクセンチュアの次世代バンキングシステム「MAINRI」のロゴ