データで過失を判定--あいおいニッセイ同和損保ら、事故対応システムを提供

大場みのり (編集部)

2019-08-14 12:06

 あいおいニッセイ同和損害保険(AD損保)は、富士通、野村総合研究所、SCSK、大日本印刷、インテリジェント ウェイブ、日本アイ・ビー・エム、SBI FinTech Incubationと共同で、テレマティクス技術を活用した事故対応サービス「テレマティクス損害サービスシステム」を開発し、提供を開始した。

テレマティクスは、「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」を組み合わせた造語。カーナビやGPSなどの車載器と移動体通信システムを利用して、情報やサービスを提供する仕組みを指す。AD損保によると、各社の技術とテレマティクス情報を組み合わせて事故対応で実用化する取り組みは業界初だという。

会見に登壇した日本IBM 専務執行役員の加藤洋氏、富士通 執行役員常務の東純一氏、NRI 常務執行役員の山本明雄氏、AD損保 取締役専務執行役員の樋口昌宏氏、SCSK 常務執行役員の工藤敏晃氏、DNP 執行役員 情報イノベーション事業部長の沼野芳樹氏、SBIFI 代表取締役の木村美礼氏(左から)
会見に登壇した日本IBM 専務執行役員の加藤洋氏、富士通 執行役員常務の東純一氏、NRI 常務執行役員の山本明雄氏、AD損保 取締役専務執行役員の樋口昌宏氏、SCSK 常務執行役員の工藤敏晃氏、DNP 執行役員 情報イノベーション事業部長の沼野芳樹氏、SBIFI 代表取締役の木村美礼氏(左から)

 テレマティクス損害サービスシステムは、以下の3つの変化をもたらすとしている。

  1. 「受信型」から「発信型」へ(テレマティクスデータによる事故受付)
  2. 事故発生時に顧客から事故連絡を受ける従来の「受信型」から、デジタルデータを活用して車両の衝撃を検知した保険会社から顧客に連絡する「発信型」へと変わる。これにより、迅速な事故受付が期待される

  3. 「推測」から「視認」へ(事故場所・状況の把握)
  4. 顧客から聞いた事故の場所や状況などを基に保険会社が「推測」するのではなく、デジタルデータを可視化して「視認」することで、顧客の負担を軽減する

  5. 「主観」から「客観」へ(過失・示談交渉)
  6. 顧客や事故の相手からの「主観的」な情報をもとにした過失・示談交渉ではなく、ドライブレコーダー映像などの「客観的」なデジタルデータにより双方の過失割合を判定。算出された過失割合をもとに過失・示談交渉を行うことで、適切な判断が可能になる

 AD損保は、テレマティクス損害サービスシステムを以下4つのステップに分けて順次導入する予定だ。各ステップで開発済み、開発中の機能についてSTEP2は特許出願中、同3と4が特許取得済みだという。

(出典:AD損保、富士通、NRI、SCSK、DNP、IWI、日本IBM、SBIFI)
(出典:AD損保、富士通、NRI、SCSK、DNP、IWI、日本IBM、SBIFI)

 同システムでは、ビッグデータや人工知能(AI)などの技術を採用し、以下の概念実証やアジャイル開発手法を用いることで、段階的に実現性を高めながら短期間での開発を実現した。また、今回構築したプラットフォームは、さまざまなデータ分析や業務利用につながる基盤として、新商品開発や自動運転への応用にも活用する予定だ。

(出典:AD損保、富士通、NRI、SCSK、DNP、IWI、日本IBM、SBIFI)
(出典:AD損保、富士通、NRI、SCSK、DNP、IWI、日本IBM、SBIFI)

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