横河レンタ・リースは、Windows 10運用ソリューション「Unifier Cast」の最新版(v.5.8.1)の提供を開始すると発表した。v.5.8.1では、Office 365 ProPlusのC2R形式のアップデータを自動で取得・分散配布できるようになり、情報システム部門の運用負荷を低減できる。
※アップデータ自動選別機能のイメージ図
Windows 10では、大型アップデートと呼ばれる「Feature Update(FU)」と従来の月次パッチに相当する「Quality Update(QU)」が提供されている。このうちQUは、累積更新プログラムとして毎月第2火曜日(日本ではその翌日の水曜日)に過去のアップデータも含めまとめて配信される。しかし、毎月第2火曜日だけではなく第3・第4火曜日や火曜日以外にも累積更新が提供されることがあり、この際、種別もセキュリティ更新プログラム(Security Update)や更新プログラム(Update)などの他、SSU(Servicing Stack Update)という累積更新の前提となるアップデータ、Microsoft .NET Framework、Adobe Flash Player、Microsoft Office(MSI)など、Windows 10をベースとしたもの以外のアップデータなどが提供されることもある。
この場合、ユーザー側で実際の運用には何をどのような順番で当てるかという選別を行う必要があるため、同社では「Unifier Cast」の新機能として、「アップデータの自動選別機能」と「Office 365 ProPlus(C2R)への対応」を追加した。
「アップデータの自動選別機能」では、「すべて最新」「Security Updateのみ最新」「毎月第2火曜日のみ(WUfB相当)」の3つのポリシーを定義し、適切なアップデータを自動で選別し、1つのパッケージとしてシンプルに運用できるようにした。なおOffice(MSI)については、累積更新ではなくMicrosoftからは従来通りのKBでの提供となるが、Unifier Cast最新版ではOffice(MSI)も累積更新のように取り扱えるように独自のロジックを搭載した。管理者は、利用時にWindows 10のアップデートの体系に関して習熟する必要はなく、選別作業を行う必要もない。
「Office 365 ProPlus(C2R)への対応」では、従来のインストール方式であるMSIからC2Rという新しいインストール方式に変わったOffice 365 ProPlusへの対応をシンプルにした。C2Rは、インターネットにある「Office CDN(Contents Delivery Network)」から最新のバイナリをストリーミングで直接取得するため、企業内で運用する場合には、ネットワーク帯域の枯渇とバージョン管理が課題になることがある。
従来、企業ではMicrosoft System Center Configuration Manager(SCCM)を導入・更新管理するか、Office展開ツールを利用してファイルサーバーやウェブサーバーをローカルソースとしてその企業専用のアップデータ配置場所を作ることで、インターネットからの直接ダウンロードを抑止し、バージョンをコントロールしている。
しかしこの方法を採る場合、ファイルサーバーやウェブサーバーにアップデータを配置するという運用が発生する。また拠点が分かれている場合は、拠点ごとに複数の各種サーバーを用意し運用する必要がある上に、PCの場所が変わった場合には設定を変更する必要がある。さらに、Windows 10のアップデートをWSUS(Windows Server Update Service)などで行っている場合、これらを別に用意、運用する必要がある。
そこで最新版では、独自開発のアップデート機構をOffice 365 ProPlusのC2Rに対応させ、FUやQUのようにC2R形式のアップデータを小さなブロックに分割、PC間で共有できるようにした。これにより、ネットワークに負荷をかけずにグループごとに企業が管理したバージョンを適用することが可能となった。