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Oracle OpenWorld

Oracle Linuxベースの自律型OS発表、ヴイエムウェアとも提携--OpenWord 2019基調講演

藤本和彦 (編集部)

2019-09-17 14:58

 Oracleの年次カンファレンス「Oracle OpenWord 2019」が、9月16~19日にかけて米サンフランシスコで開催されている。「Breakthrough innovation starts here(ブレイクスルーはここから)」をテーマに掲げ、会期中には800以上のセッションが予定されている。

Oracle Linuxベースの自律型OS

 16日の基調講演には最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏が登壇。冒頭には、Oracle Linuxをベースとした自律型OS「Oracle Autonomous Linux」を発表して、会場を沸かせた。2018年に提供を開始した自律型データベース「Oracle Autonomous Database」の機能をOSの領域へ適用したものになる。

16日の基調講演に登壇した最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏
16日の基調講演に登壇した最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏

 同社は近年、IT運用の自律化・高度化を目指す「Autonomous」に力を入れている。人工知能(AI)や機械学習などの技術を使ってITインフラのプロビジョニングや設定のチューニング、データの暗号化、パッチの適用、システムの更新といった処理を自動化し、運用業務の軽減や人的エラーの低減につなげられる。

 Autonomous Linuxは、同社が「Generation 2 Cloud(第2世代のクラウド、Gen 2 Cloud)」と呼ぶクラウド基盤のOSとして、同社が開発・運用するパブリッククラウド「Oracle Cloud」やシステム基盤「Engineered Systems」、業務アプリケーション群で使われている。

 Oracleは、Oracle Linuxにおいておよそ20年にわたる開発の歴史があり、エンタープライズ向けアプリケーションのパフォーマンス、スケーラビリティー、信頼性、安全性に自信を見せる。Ellison氏によると、Meltdown/Spectreと呼ばれるCPUの脆弱性が発覚した際、Gen 2 Cloudが稼働するサーバーのCPU(150万コア)に対して、1億5000万件のパッチを4時間かけてダウンタイムなしで自動的に適用したという。

 同氏はまた、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との互換性を強調した。RHELで稼働するアプリケーションは変更を加えることなく、Autonomous Linuxでも動作することを約束する。Autonomous Linuxは、IaaS「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」のユーザーは無料で利用できる。「もはやIBMに対してサポート費用を支払う必要はない」とEllison氏はアピールした。

Autonomous LinuxはRHELと100%の互換性を持っている
Autonomous LinuxはRHELと100%の互換性を持っている

Exadataの最新モデルも登場

 Autonomous Databaseに関しては、データベースのセキュリティを自動化する新機能「Oracle Data Safe」が発表された。データベースの活動状況の監視や機密データの発見、データベースのマスキングなどのセキュリティ管理機能を提供するもの。セキュリティ専門家の有無に関わらず適切にデータを保護できるサービスになる。基調講演では、Amazon Web Services(AWS)との機能比較を交えながら、他社クラウドよりも充実したセキュリティ機能を提供している点を聴衆に訴えた。

 データベース関連の発表としてはほかにも、データベース専用機の新型「Exadata X8/X8M」とGen 2に対応したデータベース基盤「Oracle Generation 2 Exadata Cloud at Customer」を明らかにした。Exadata X8/X8Mは、新たにConverged Ethernetを介したRemote Direct Memory Access(RDMA)、Intel Optane DC Persistent Memoryモジュールを使用したPersistent Memory Acceleratorに対応。従来世代と比べてI/Oを2.5倍強に向上し、I/Oレイテンシーを10分の1以下に低減した。

 Gen 2 Exadata Cloud at Customerは、Exadata X8を基盤としており、機械学習をベースにした各種機能を備える。また、Oracle Cloudの最も近いリージョンに実装された「Cloud Control Plane」で管理する仕組みとなっている。従来世代に比べて回復性や自動化などの機能強化が図られている。

Oracle Data SafeとAWSとのセキュリティ機能を比較
Oracle Data SafeとAWSとのセキュリティ機能を比較

Microsoftとの提携強化とVMwareとの協業開始

 Microsoftとの提携関係も強化している。新たにOCI上での「Microsoft SQL Server」のサポートを発表したほか、既に発表となっているOracle Cloudと「Microsoft Azure」の相互接続についても北米東部(アッシュバーン)とロンドンに加えて、数四半期中に米国西部、アジア、欧州へと拡大していくことを明らかにした。

 またマルチクラウド関連の取り組みとしてVMwareとの提携を発表した。VMware Cloud Provider Programのパートナーとして「Oracle Cloud VMware Solution」を提供する。これは、「VMware vSphere」「NSX」「vSAN」などからなる「VMware Cloud Foundation」をベースとしたもの。Oracle Cloud上でVMwareのワークロードを実行可能にする。

 また提携の一環として、VMware環境で稼働するOracle製ソフトウェアのテクニカルサポートも提供する。

 VMwareとの提携により、VMwareワークロードのOCIへのリフト&シフトを加速し、Autonomous DatabaseやExadata Cloud Serviceといった同社の最新サービスを簡単に利用できるようになるとEllison氏は話す。

OracleとVMwareとの提携発表
OracleとVMwareとの提携発表

リージョン拡大と開発者向けサービス

 Oracle Cloudは現在、全世界で16のリージョンを運営されている。同社は今後15カ月間で20のリージョンを追加する予定。これにより合計36のリージョンを展開することになり、「AWSの25リージョンよりも数が多い」(Ellison氏)という。

 具体的には、米国(カリフォルニア州ベイエリア)、カナダ(モントリオール)、ブラジル(ベロ・オリゾンテ)、英国(ウェールズ州ニューポート)、EU(アムステルダム)、日本(大阪)、オーストラリア(メルボルン)、インド(ハイデラバード)、韓国(チュンチョン)、シンガポール、イスラエル、南アフリカ、チリ、サウジアラビアの2カ所、UAEの2カ所にリージョンを構築するほか、英国政府用に2つ、イスラエル政府用に1つを開設する意向となっている。

Oracle Cloudのリージョン拡大について
Oracle Cloudのリージョン拡大について

 Ellison氏は基調講演の最後に、開発者や学生、教育者、関連組織が無償でデータベースの構築、学習、検索を行えるサービス「Always Free」を発表した。データベースやコンピュート、ストレージなどのサービスを一定の条件下(写真参照)において、無期限で無料利用できる。300ドル分のクレジットが付いた30日のフリートライアルも組み合わせて使えるようになっている。

Always Freeの提供内容
Always Freeの提供内容

(取材協力:日本オラクル)

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