日立とルーベンカトリック大学が共同開発したメッセージ認証技術が国際標準規格として採択

NO BUDGET

2019-09-24 09:58

 日立製作所とルーベンカトリック大学は、共同で開発したセンサーやコントローラーなどの小型IoT機器向けメッセージ認証技術「Chaskey」が、国際標準化機構(ISO)での最終承認を経て、軽量暗号国際標準規格「ISO/IEC 29192-6」として採択されたと発表した。標準化は産業技術総合研究所の協力のもと行われた。

 Chaskeyは標準的に利用されている暗号化技術に比べ、2分の1~5分の1の少ないメモリで、2~7倍の高速性で保証する。重要インフラや車載システムを支える小型機器に基本的なセキュリティ機能の導入が容易となることから、システムの安全性が向上することが期待される。

 Chaskeyは、CPUで実装されている基本命令のみでデータ変換を行うARX設計法を採用している。ARX設計法を使う方式は、表参照を行わないためメモリ使用量が小さく、また、特定のレジスタ幅のCPUにおいて高速性を発揮できる。さらに、小型IoT機器で使用されている8~32ビットCPUで高速な処理を実現するため、パラメーターの選定に着目し、ルーベンカトリック大学が開発した評価ツールにより、短時間で適したパラメータを選定することができるようにした。これにより、小型IoT機器で使用されている8~32ビットCPUでも、省メモリで高速な処理を可能にする。

 また、初期化処理のコストを最小限に抑えるEven-Mansour構成法を採用することで、小さいサイズのデータでの高速処理を実現できるようにした。Even-Mansour構成法は本来ブロック暗号を作る方法だが、さらにメッセージ認証機能を実現する用法(mode of operation)を開発し、その安全性を理論的に検証した。

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