レッドハットは9月26日、「オープンハイブリッドクラウド エッジコンピューティング戦略」に関する説明会を開催した。また同日付で、「Red Hat OpenStack Platform 15」(米国9月19日発表)および「Red Hat OpenShift Service Mesh」(米国8月22日発表)の国内提供も発表している。
Red Hat クラウドプラットフォーム製品担当バイスプレジデントのJoe Fernandes氏
まず戦略の全体概要について米Red Hat クラウドプラットフォーム 製品担当バイスプレジデントのJoe Fernandes氏が説明した。同氏は、アプリケーションの実行場所が従来の「データセンター」から「エッジ」「パブリッククラウド」「マルチクラウド」に広がり、“ハイブリッド”化していることを指摘、同社がOpenStack PlatformとOpenShiftでこうしたトレンドに対応しているとした。
なお、OpenShiftは「エンタープライズ向けのKubernetes」であり、オープンソースコミュニティーのコードリリース後1~3カ月をかけてエンタープライズユーザーが求める「強化(hardening)」を行い、同社でのOpenShiftとしてリリースしている。
新たにOpenShiftで追加された「OpenShift Service Mesh」は、オープソースのIstioを核として、エンタープライズユーザーが必要とする各種周辺機能を追加し、LinuxカーネルとLinuxディストリビューションの関係と同様の位置付けになる。この他に、新たな取り組みとなる「Openshift Serverless」の開発がKnativeベースで進行中であることも紹介された。
Red Hat クラウドプラットフォーム プリンシパル・プロダクトマネージャーのMaria Bracho氏
続いて登壇したプリンシパル・プロダクトマネージャーのMaria Bracho氏は、Red Hat OpenStack Platform 15の位置付けについて説明した。同社では、OpenStack Platformを「ロングライフ・リリース(長期サポート版)」と「ショートライフ・リリース(短期サポート版)」に分けて提供している。
現在のロングライフ・リリースは、2018年に発表された「Red Hat OpenStack Platform 13」で、2018年11月にはショートライフ・リリースとして同14が発表されている。今回の同15は、「最後のショートライフ・リリース」と位置付けられており、1年間のサポート付きで提供される。
Red Hat OpenStack Platformのロードマップ
Bracho氏は同15について、「Red Hat OpenStack Platform 13からの移行を意図したものではなく、次のロングライフ・リリースとなる予定のRed Hat OpenStack Platform 16の導入を検討するユーザーがテストや検証で利用することを想定している」と述べた。同15が最後のショートライフ・リリースとされていることから、同16のリリースは1年以内に行われるものと期待される。
なお、メディアからの質問に応じたFernandes氏は、OpenStackとOpenShiftの位置付けに関して、「OpenStackは仮想マシン上で稼働するワークロードのため、OpenShiftはコンテナー化されたワークロードのために使われる」として、エッジでもクラウドでも、両者が必要に応じて併用されているとした。
さらに両者の統合についても、現在はコンテナー化されたワークロードは仮想マシン上に構築されたコンテナープラットフォーム上で実行されているのに対し、今後は実行環境がより簡素化(Kubernetes on BareMetalやKnativeなど)されることから、両者の位置付けが現在とは違ったものになっていく可能性を認識しているとする。その一方で、直近では異なるニーズに対応する、異なる製品として併存させていく方針だとした。
Openshift Service Meshの概要
Openshift Serverlessの概要