キヤノン:レーザー主力だが、インクジェットも注力--クラウドも活用するオールラウンドベンダー

藤代格 (編集部)

2019-10-16 07:00

 日本全国でペーパーレス化が進みつつあるが、紙をなくすことはできないと考えている方も多いのではないだろうか。デジタル化したファイルで事足りたり、コンビニなどを活用して外で印刷できる機会も増えたりしているとはいえ、出力機器が皆無というオフィスはまだまだ少ない。

 カラーかモノクロか、顔料やプラスチック粒子でできた粉末で構成するトナーを紙に転写する“レーザープリンター”か、液体インクを用紙に直接噴射する“インクジェットプリンター”か、はたまたコピーやスキャンといった印刷以外の機能も備えた“複合機”なのか。いくつかの選択肢はあるが、いずれにせよ紙にできるなんらかの出力機器はあるはずだ。

 ここでは、一般的なオフィスでの活用を想定し、特長やラインアップなどをベンダーごとに紹介していく。第1回はキヤノン。

 1933年に高級小型写真機の研究を目的とする精機光学研究所を開設したキヤノン。1970年に国産機としては初となる普通複写機を発売したという歴史を持ち、今でも小規模向け、家庭向けから、商業用、大判プリンターといった多くのラインアップを展開。レーザー、インクジェットなどの方式、想定の従業員数などを問わず、満遍なく商品を揃えている部分は強みといえるだろう。

主力はレーザー、管理やセキュリティなども強化

 同社の主力はレーザー方式。複合機は「imageRUNNER ADVANCE」、プリンターが中心の「Satera」といったブランドで展開している。

imageRUNNER ADVANCE(カラー)の主なラインアップ(出典:キヤノンMJ)
imageRUNNER ADVANCE(カラー)の主なラインアップ(出典:キヤノンMJ)
岩脇伸一氏
岩脇伸一氏

 キヤノン製品の国内での販売を担うキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)のプリンティング企画本部 コーポレートMFP企画部 コーポレートMFP商品企画第1課で課長を務める岩脇伸一氏は、imageRUNNER ADVANCEからクラウドを通じて情報を収集できる印刷管理サービス「uniFLOW Online」を一押し機能に挙げる。

 「Box」「Google Drive」といったクラウドストレージと連携するほか、機器状況の集計、管理が可能。フロアがまたがっていてもダッシュボードから各機器をリアルタイムに可視化でき、枚数管理などに活用できるという。

uniFLOW Online構成イメージ(出典:キヤノンMJ)
uniFLOW Online構成イメージ(出典:キヤノンMJ)
1月に発表したimageRUNNER ADVANCE C5560F III:オプション装着時(出典:キヤノンMJ)
1月に発表したimageRUNNER ADVANCE C5560F III:オプション装着時(出典:キヤノンMJ)

 セキュリティ対策も怠らない。複合機の起動時と稼働時に、本体の内部プログラムを常時検知、不正プログラムの実行などを防ぐ改ざん検知機能を搭載。「内部で変なものを動かせない。イメージは(PCにおける)アンチウイルス」(岩脇氏)と説明する。今までめぼしい被害事例はないものの、万が一に備える機能だという。

 そのほか、操作画面パネルの画面を差し替え、従業員へのお知らせなど作成した画像の表示が可能。出力中などの待機時間に有効活用できるという。

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