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富士通研究所、映像から人の行動を認識するAI技術を開発

NO BUDGET

2019-11-29 06:00

 富士通研究所と富士通研究開発中心(FRDC、中国・北京)は、大量の学習データを準備しなくても、映像から人のさまざまな行動を認識する人工知能(AI)技術「行動分析技術 Actlyzer」を開発した。

 同技術を利用することで企業は、人のさまざまな行動を認識するシステムを短期間で現場導入できるようになる。従来は目視だった不審者の発見の自動化、小売店での来店者の購買行動の認識から、商品の関心度調査、工場での熟練者と初心者の技能比較など、多様な業務のセキュリティ向上や現場改善などの課題解決を支援できる。

 従来、AIで人の行動を認識するためには、認識対象となる行動ごとに大量の学習用の映像データが必要となるほか、新たな行動を追加するには、新たな映像データを収集する必要があり、実際には現場導入までに数カ月の時間を要するという課題があった。

 Actlyzerでは、人の行動が「歩く」「首を振る」「手を伸ばす」などの基本的な動作の組み合わせで構成されているという特徴を利用し、約100種の基本動作をあらかじめ学習して認識できるようにしている。それを組み合わせることで、不審行動や購買行動といった人の複雑な行動を認識することを可能にした。基本動作を学習することで、約100種類の基本動作を平均90%以上の精度で認識でき、「歩いている」「走っている」という基本動作のほか、例えば、「首を右に回す」「首を左に回す」「顔を上に傾ける」「顔を下に傾ける」などの細かい基本動作においても、それぞれ高精度に認識できる。

 また、基本動作の組み合わせや順番、発生場所、行動の対象などを指定することで、不審行動のような複雑な行動を認識できる技術を搭載している。これにより、簡単な設定でさまざまな行動を認識することができ、またパラメーター変更などによりすぐに認識精度を調整できる。

 例えば、「扉の前にいる」「座る」「鍵穴を見る」「鍵穴に手を当てる」というように基本動作の組み合わせとその発生場所、および行動の対象を指定することで不審行動として認識できるようになる。さらに、首を左右に回して周囲を見回すなどの条件の追加や各行動の継続時間の指定により、認識の精度を調整することが可能となる。

 なおこの技術は、店舗での来店客の購買行動の分析、店員の応対動作の確認、製造現場での作業時間測定や作業手順の確認などにも活用できる。

不審行動とみなす基本動作の組み合わせ例
不審行動とみなす基本動作の組み合わせ例

 富士通研究所とFRDCが、屋内や屋外で撮影された21種類の映像データを使って、検出したい8種の不審行動(家の様子を伺う、凶器を振り回す、など)を認識する実験を行ったところ、全ての不審行動が認識できることが確認された。この8種の不審行動を検出するための基本動作の組み合わせのルール作りは1日で作成できた。

様々な業種・業務への適用イメージ
様々な業種・業務への適用イメージ

 Actlyzerは、現場での実証を終えており、さまざまな分野において提供可能という。また富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」のZinrai活用支援サービスとしても実用化を目指している。

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