ストレージベンダーのピュア・ストレージ・ジャパンは米国本社の設立10周年を記念して、同社の取り組みや今後の戦略について説明した。Pure Storageはストレージベンダーの中で唯一、この数年2桁成長を続けているという。
説明会には、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏が登壇。田中氏は「Pure Storageは『ストレージの世界をシンプルにしたい』という思いで活動している。製品だけでなくオペレーションにおいてもシンプルにするための取り組みをしてきた」と語った。
ピュア・ストレージ・ジャパンの田中氏
同社は設立当初から、フラッシュメモリー技術に着目してきた。ストレージはフラッシュの採用で小型化が進んだ一方、メモリー容量が増大化していることで電力消費量を気にする声が出始めている。大企業ほど、強くその削減を求めているという。電力消費量は最近多くの顧客企業が気にかけており、大企業ほど強く削減を求めているという。
Pure Storageが特に自負しているのが「無停止アップグレード」だ。これによりデータの可用性や性能に影響を与えることなく、ソフトウェアをアップグレードしたり、ハードウェアを拡張・交換したりできる。ダウンタイムは発生せず、データの移行も不要だという。
そして田中氏は「次の10年は『モダン・データ・エクスペリエンス』を実現していく」と述べた。顧客企業が市場でデータをどのように使うのかを探求していくという。
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シンプルであることは、モダン・データ・エクスペリエンスにおいてもキーワードとなる。Pure Storageの顧客企業向けマニュアルは、非常に少ないという。新しいiPhoneを使う時のように、担当者が体感的に運用を始められることを目指して製品を作っているとのことだ。
Pure Storageでは「EVERGREEN」という概念が設計思想の核となっている。この言葉は、常緑樹のように顧客企業の環境を常に新しい状態にすることを意味している。そのため顧客企業はメンテナンスに入っているだけで、最新のテクノロジーを手にすることができるという。
顧客企業からの評判について、田中氏は「私自身お客さまをよく訪問するが、『来てもらって初めて、ストレージを導入していたことを思い出した』と言われることが多々ある。IT業界でも昔は『お客さまと何日も徹夜をしながら苦難を乗り越えることで、信頼が見えてくる』などと言われていたが、われわれの場合、トラブルが発生しないので自分たちが訪れないと忘れられてしまう」とユーモアを交えて語った。