2020年は「エンジンを掛け直して、ビジネスを再加速」--クリックテックの今井氏が語る

藤本和彦 (編集部)

2020-02-05 07:00

 2019年10月1日付でクリックテック・ジャパンのカントリーマネージャーに就いた今井浩氏は、2019年を振り返り「リーダーシップの不在」を嘆いた。同氏の就任まで、日本法人のカントリーマネージャーは半年以上にわたって空位となっており、その間、顧客やパートナーに十分なメッセージを打ち出せなかったという。その結果、2019年は市場での存在感を高められなかった。その上で、2020年はプロダクトの拡充と日本法人の体制強化に注力すると力を込める。

 プロダクトの拡充では、2019年に買収したAttunityのデータ統合ソフトと、2018年に買収したPodium Dataのデータカタログ製品をデータ統合基盤「Qlik Data Integration Platform」としてまとめた。データ分析基盤として展開する中核製品の「QlikView」「Qlik Sense」と組み合わせ、エンドツーエンドのデータアナリティクスソリューションを提供する。

 QlikViewとQlik Senseについては、インテリジェントアラートソフト「Ping」を提供するRoxAIの買収を2020年1月に発表した。セルフサービス型のアラート機能を提供するツールで、データやコンテクストへの変更をスマートフォンや電子メール、ソーシャルチャネルで通知し、判断と行動を促す。また、ワークフローやRPA(ロボティックプロセスオートメーション)といったツールとAPIを通じて連携することで、「アクショナブル」なデータ活用基盤を構築できると今井氏は話す。

 また、自然言語を使った対話型分析を可能にする「Qlik Insight Bot」の提供を開始した。音声入力などを通じてより手軽に分析を行える環境を整える。

 今井氏は、ビジネスインテリジェンス(BI)市場について「第3世代目に入った」と語る。第1世代は統合基幹業務システム(ERP)の普及に伴ってデータを中央集約的に管理し、ダッシュボードやレポーティングで社内共有する目的で広まり、第2世代はエンドユーザーが主導となって社内のさまざまな部門でデータを活用するセルフサービス型のアプローチで注目を集めた。同社は第2世代のBIが登場したタイミングでシェアを伸ばした。

 第3世代BIでは、全てのユーザーが統制の取れたデータへアクセスできる環境を整え、同社が“Augmented Intelligence”(拡張知能:AI)と呼ぶ技術によりデータリテラシーの向上を図るとしている。先述したデータ統合基盤やデータ分析基盤を軸として「データの民主化」をさらに一歩進める形になる。

 日本法人の体制強化については、パートナー営業部隊を新設し、製造や小売り、金融、官公庁などの業界別の営業部隊も編成した。ベンダーとしてユースケースを明確に打ち出せず、それがパートナーや顧客企業に不安感を与えてしまった、と今井氏は振り返った。2020年は「エンジンを掛け直し、ビジネスを再加速するタイミング」と意気込みを示した。

クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏。以前はEMCジャパンでデータ保護ソリューション事業本部 事業本部長を務めていた
クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏。以前はEMCジャパンでデータ保護ソリューション事業本部 事業本部長を務めていた

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