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クラウド型コールセンターで応答率向上--履歴可視化も検討するカインズの挑戦

翁長潤 藤代格 (編集部)

2020-02-14 07:15

 関東を中心に全国約220店舗あるホームセンター「カインズ」を展開するカインズ(埼玉県本庄市、従業員数1万1477人)。1989年の創業以来、“For the Customers”を経営理念に掲げる同社は、物販チェーン企業6社などを中心に構成するベイシア(群馬県前橋市)グループの一員として、小売業やホームセンターの枠に捉われない事業展開を進めている。

「iFデザイン賞」受賞のPB商品「立つほうき」(出典:カインズ)
「iFデザイン賞」受賞のPB商品「立つほうき」(出典:カインズ)

 同社はオリジナル商品を企画、製造、販売する製造小売企業(Specialty store retailer of Private label Apparel:SPA)でもある。1万2000点以上のプライベートブランド(PB)商品を取り扱い、売り上げの4割弱を占めるという。

 小売業という立場だけではなく、商品の作り手でもあるメーカーとしても提供商品の品質にこだわりを持つ企業だ。

応答率向上とVoC活用を目指してクラウド型を選択

 顧客対応を重視してきたカインズのコールセンター業務を担うカスタマーサービス部には、年間1万5000件以上の電話がかかってくる。これまでは特定の担当オペレーターに負荷がかかることもあり、業務の平準化が求められていた。また、電話回線が混んでいてオペレーターが対応できず、電話はつながってるものの顧客を待たせる状態である「待ち呼」の解消が課題となっていた。

 そうした状況を改善すべく、同社は2019年、コンタクトセンターシステムを刷新。Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドベースのコンピューター電話統合(Computer Telephony Integration:CTI)サービス「Amazon Connect」を採用した。これにより、コンタクトセンターのオペレーターの応答率の向上と顧客の声(Voice of Customer:VoC)のさらなる活用を目指している。

決め手は「ニーズに合った拡張性」

 カインズでは2018年に別のクラウドCTIサービスを導入していた。同社の業務インフラ改革本部 ITイノベーション推進室 室長の野原昌崇氏は「他の業種と比べて、それほど大規模なコンタクトセンターが求められないこともあり、当社ではオンプレミス型システムは当初から選定対象にはなかった」という。

カインズ 業務インフラ改革本部 ITイノベーション推進室 室長の野原昌崇氏
カインズ 業務インフラ改革本部 ITイノベーション推進室 室長の野原昌崇氏

 また、「Amazon Connectの存在は知っていたが、外資系サービスでもあり、日本のフリーダイヤルである『0120』が使えないなど、自社が求めるニーズには応えられないと考えていた」(野原氏)と振り返る。その後、Amazon Connectが東京リージョンに対応。フリーダイヤル対応が可能になり、導入を検討したという。

 「即時性」「カスタマイズ性」「拡張性」の3点からその有用性を確認。2019年3月から3カ月ほどかけて、コンタクトセンター全50席分をAmazon Connectに移行したという。

 即時性という観点では、同社のエンジニアがAmazon Connectを試用し、わずか30分でCTIを立ち上げた点を挙げる。1業務を追加するのに1人日程度で対応できる点にも目を見張ったという。また、カスタマイズ性という観点では、自社開発したソフトフォンなどと容易に連携可能である点を挙げる。

 野原氏がAmazon Connect導入の一番の決め手と語る点は「自社のビジネスニーズに合わせた“拡張性”の高さ」だ。

 Amazon Connectは、AWSが提供する他モジュールと高い親和性がある。また、同社が使用している顧客情報管理システム(CRM)「Salesforce CRM」との連携でも特別な開発は不要だったという。

 拡張性が求められるケースの一つとして、緊急ピーク時の増席対応を挙げている。従来のCTIサービスでは、瞬間的に入電が増える場合、オペレーターの増席対応に1週間ほど時間がかかることが多い。一方、Amazon Connectの場合は「2営業日後からでも稼働可能になる」(野原氏)という。

 さらに、カインズは2019年、最短1日で緊急対応窓口のコールセンターが開設できるトランスコスモス(渋谷区)のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス「緊急コールセンターサービス リスク対策パック」を導入。

 Amazon Connectの拡張性と組み合わせ、物理的に離れた複数拠点のコールセンターを既存と同一番号、同一システムでリアルタイムに接続できる体制を構築。「まだその機会は訪れていないが、何かあればすぐに対応できる」(野原氏)。万が一の緊急体制でも万全にサポートできる体制を整備したと説明する。

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