富士通は、ハイブリッドクラウド環境におけるインターネットブレイクアウトを可能とするソフトウェア「FUJITSU Network NXconcierge」の提供を開始する。2022年度末までに60億円の売り上げを目指す。
インターネットブレイクアウトは、データセンター経由でクラウドサービスにアクセスするといった従来のネットワーク構築に対し、データセンターを介さず、ユーザーの各拠点からインターネットを通じて直接クラウドやSaaSへアクセスすることを言う。
Office 365やG Suite、BoxといったSaaSの利用が広がる中、インターネット通信の出入り口であるデータセンターなどにトラフィックが集中する従来の方式では、ネットワーク帯域のひっ迫やネットワーク機器の性能不足が発生し、課題となっていた。
一方、インターネットブレイクアウトの課題として、利用者端末のネットワーク設定やクラウドサービス側のネットワーク環境の変化に随時対応するための運用負荷などが障壁となっていた。
インターネットブレイクアウトの概要(出典:富士通)
NXconciergeは、サポート対象となるルーターやスイッチなどのネットワーク機器のオプション機能として、Office 365、Box、G Suiteなど、SaaSのアクセスに必要な端末への設定情報を自動で生成・配信し、インターネットブレイクアウトの即時適用を可能にする。また、クラウドやSaaSのアクセス先情報を定期的に収集・更新するため、導入後の運用負荷も軽減するとしている。
IT資産やネットワークを管理するソフトウェアがない環境でも、サイバー攻撃でマルウェアに感染した端末の種類や場所を特定可能。ポータルサイトからその情報を確認し、接続位置の確認、切り出し処理までの一連の対応を迅速化することで、感染拡散のリスクを低減するという。
富士通では今後、NXconciergeのサポート対象機器や機能を順次拡充していく予定。NXconciergeの機能を「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICSビジネスSDNサービス powered by NXconcierge」として、データセンターやクラウド、ユーザーの各拠点をつなぐ回線サービスや、さまざまな脅威へ対応したクラウド型セキュリティサービスなどの各種サービスとともに提供する。
提供価格と開始時期(出典:富士通)