調査会社のIDC Japanは、スマートシティー関連テクノロジーの支出額の最新予測を発表した。米国や西欧、中国が中心だが、日本や中南米が急成長するとしている。
それによると、2020年の世界全体の支出額は、2019年比で18.9%増の約1240億ドルに達するという。2019年は投資が最も活発に行われた上位100都市の支出額が総支出額の約29%を占めたという。
主には、スマートグリッドが支出をけん引し、回復力のあるエネルギーとインフラに関連するユースケースが全体の3分の1以上だった。また、全支出額に占める割合がデータ駆動型公共安全では18%、インテリジェント交通制御では14%だった。
最大のユースケースはスマートグリッド(電気およびガス)だったが、IDCでは市場の成熟が進んでその他のユースケースが主流化すれば相対的にスマートグリッドの重要性が徐々に下がると予測する。スマートグリッド以外の投資は、固定監視画像データ解析、高度化した公共交通誘導、インテリジェント交通管制、コネクテッドバックオフィスが多く、これら5つのユースケースの合計で全支出額の半分以上を占めた。今後5年間ではVehicle-to-everything(V2X)接続、デジタルツイン、警察官用ウェアラブルに対する支出が急伸すると見ている。
地域別では、今後5年間を含め米国、西欧、中国が支出額の70%以上を占めるといい、2020年に支出の伸びが最も大きいのは日本と中南米だと予想する。最大の投資見込み地域はシンガポールで、東京は夏季五輪に伴う投資が拡大して2番目になるほか、これにニューヨークとロンドンが続き、これら4都市は、いずれも2020年の支出額が10億ドルを超えるだろうとしている。