世の中で最も普及しているのはどのウェブブラウザーなのだろうか?これに関して、信頼性の高いデータを入手するのはほぼ不可能という時代が長く続いていた。もちろん、NetMarketShareやStatCounterをはじめとする多くの企業は確度の高い情報を有していると主張していた。しかし米連邦政府の「Digital Analytics Program」(DAP)では、米国政府のウェブサイトに対する過去90日間の訪問統計が明らかにされている。これによって世界規模でのウェブブラウザーの利用状況が分かるわけではないとはいえ、米国のウェブブラウザー利用者に関する最も優れた情報が入手できるだろう。
DAPによると、3月初旬時点で過去3カ月間において最も多く利用されていたウェブブラウザーは、「Google Chrome」だった。その約49%という割合は、かつての「Internet Explorer」(IE)ほどではない(2002年においてIEは96%という市場浸透率を誇っていた)とはいえ、Appleの「Safari」の約31%を大きく引き離している。
OSでは「Mac」のシェアが10%程度にとどまっている(DAPによると正確には9.3%)にもかかわらず、Safariの割合がこれほど高いのはなぜだろうか?簡単なことだ。昨今では、ウェブ閲覧市場の50%ほどをスマートフォンが占め、PCの約47%を上回っているためだ。残りの3%はタブレットだ。そして米国のスマートフォン市場を見た場合、「iPhone」のシェアが29.5%を占めており、「Android」搭載スマートフォンの23%を上回っている。つまり、SafariによるほとんどのアクセスはiPhoneから、そしてある程度は「iPad」からとなっている。
そしてブラウザーの第3位には、かつて高いシェアを誇ったものの昨今は徐々にシェアを落としてきているIEがつけている。Microsoftはこの1年、IEの代わりに「Microsoft Edge」を使うようユーザーに訴えかけているが、一部のユーザーは依然としてこの旧式のブラウザーを使い続けている。最も多く使われているバージョンは、現在もサポートが続いている「IE 11」の5.1%だ。一方、4年以上もサポート切れの状態になっている骨董(こっとう)品なみの「IE 7」の割合はいまだに0.5%ほどとなっている。