農業用ハウス内の温湿度を可視化--施設内の環境差を明らかに

大場みのり (編集部)

2020-03-23 14:46

 NTTテクノクロスは、農業におけるハウス施設内の温度・湿度を可視化する「Fermier Monitor(フェルミエ モニター)」を4月1日に販売開始する。価格は、実際の利用環境などにより構成や価格が変わるため、問い合わせが必要だという。

 ハウス施設内はほぼ密閉されているため空気が循環しづらく、環境制御技術を活用しても同じハウス施設内で温度や湿度に偏りがある。Fermier Monitorは、広いハウス施設内の温湿度を可視化し、環境の差(ムラ)を明らかにするという。これにより、生育差や収量差、疫病の発生原因を定量的に評価でき、収量や品質の安定的な生産につながるとしている。

 Fermier Monitor は、LPWA通信(低消費電流と長距離のデータ通信を満たした通信ネットワーク)と無線センサーを活用することで、ハウス施設内の上下左右の多地点において温度と湿度を計測することができる。これにより、例えば暖房機付近と出入口付近や天井付近、地上部付近の温度・飽差(温度と湿度の空気に、どれだけ水蒸気の入る余地があるか)を把握できるようになり、適切な温度・飽差が保たれていない箇所を改善することが可能になるという。センサーは、電池駆動で約3年間利用可能なため、既設のハウスでも導入することができる。

 また一般的なグラフ表示だけでなく、多地点で測定された同一時間帯の温度を1度ごとに色付けして、3Dマップ上に表示する。各時間帯の温度・飽差のムラを分かりやすく可視化することで、収量差の出やすい温度ムラに対して制御改善を行うことができ、収穫量の増加・品質の安定化につながるという。さらにオプションを利用することで、複数のハウス間の環境比較や任意のセンサー間の環境比較など、より詳細な分析を簡単に行うことが可能になるとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]