北アジア地域担当ディレクターのDarren McKellin氏は、従来型VPNの短所として「VPNは多くのハードウェアを必要とする。従業員が企業ネットワークにアクセスすると、マルウェアや他の脅威を導入する可能性があるため、セキュリティリスクを無視できない。さらにネットワークスピードも遅いため、UX(ユーザー体験)も悪い。また、VPNの拡大にはハードウェアの追加購入が欠かせない。この危機的な状況で誰もがハードウェアを買いたいと思っていない」と指摘する。
将来的にVPNが使われなくなるか、との質問にLowe氏は「VPNのおかげでここまで来られたのは事実。働き方を変えてくれた。だが、自動車や飛行機が進化したように、セキュリティやクラウドを活用した働き方は進化しなければならない」と1つの方向性を示した。
すでにZscalerはスタッフ全員がリモートワークに移行しているが、McKellin氏は「生産性は以前と変わらない」と説明した上で、「ファイルに正しくアクセスできるかが重要」(McKellin氏)と従来型VPNを置き換える自社サービスをアピールした。
某大手物流企業から「3月上旬に連絡があり、6000人のスタッフがテレワークできるようにしたい、という緊急要請があったものの、4月1日までサービスを立ち上げ稼働させた」(McKellin氏)と国内事例を披露した。
他にも武田薬品工業や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)といった企業の導入事例に触れつつ、McKellin氏は「CTCは日本政府のアドバイスや五輪開催に備えるため、1万人の従業員を対象にしたテレワーク環境をテレワーク・デイズ(毎年7月24日から開催)までに稼働させたいと考えていた。同社はSI(システムインテグレーション)企業のため、従来型VPNに通じている。その上でZPAを選択したのはクラウドの利点を優先させたのだろう」と選ばれた理由を語った。