Zscaler(ゼットスケーラー)は4月7日、オンラインで記者説明会を開催。クラウドからセキュリティ保護を提供することで、従来型のセキュアウェブゲートウェイにまつわるコストを解消する「Zscaler Internet Access」(ZIA)とクラウド型リモートアクセスサービスの「Zscaler Private Access」(ZPA)を改めてアピールした。
同社のサービスはクラウドで提供される。ZIAはサンドボックスやファイアウォール、コンテンツフィルタリングやURLフィルタリング、データ損失防止(DLP)、クラウドアクセスサービスブローカー(CASB)などの機能を提供。ZPAはユーザーやアプリケーションを中心にしたアプローチがベース、個々のデバイスとアプリケーションの間にセキュアセグメントを作成して、許可されたユーザーだけが特定のプライベートアプリケーションにアクセスできるようにする。ユーザーのネットワークアクセスや水平方向の移動が発生しないとしている。
昨今の新型コロナウイルス流行に伴って、リモートワーク/テレワーク利用者は増加し、企業はセキュリティ対策に苦慮している。このような背景から、Zscalerのようなセキュリティサービスは注目されている。
2020年1月から現在までのZPAトラフィック量はグローバルで8倍、日本は2倍に増加している(中国は12倍、韓国は6倍、欧州は5倍増)。ZPAユーザー数も増加傾向にあり、とあるグローバル流通業社の社内ユーザー数は米国時間2020年3月9日から3月16日の1週間で5000人から2万人へ、某多国籍企業も2週間で8000人増、合計3万人が利用している。
米本社のグローバルの最高情報セキュリティ責任者(CISO)を務めるStan Lowe氏は「Zscalerは短時間で何千人規模にロールアウトできる。伝統的なVPNをロールアウトする場合、数カ月を要しただろう。企業はリモートワークと将来的なオペレーションをサポートするため、クラウドに移行しなければならない」と語る。
従来型VPNが個々のユーザーやデバイスをネットワーク上のセキュリティ境界の外から安全にアクセスできる環境を実現してきた、と一定の評価を下しつつ、Lowe氏は「VPNを利用するユーザーのフラストレーションやビジネスリスクの増大につながる」と指摘する。
その上で「われわれがよく用いるのは、DVDをクラウドに積み上げて、Netflixのようなストリーミングサービスを作るということ」(Lowe氏)と従来型VPNが新旧の技術を組み合わせ、各所に食い違いが発生していると指し示した。
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